北九州遠賀川自転車道線は、福岡県直方市溝堀から北九州市若松区大字安屋までを結ぶ34.5kmの大規模自転車道です。令和に入ってから全線が開通し、バラエティに富んだなかなか見所の多いコースになっています。2023年3月19日走破。
北九州遠賀川自転車道線の基本情報
正式名称は福岡県道302号直方北九州自転車道線。
通称北九州遠賀川自転車道線。のハズなのですが公式通称含め表記が一切見当たらず、全て「直方北九州自転車道」で統一されています。
令和元年(2019年)11月17日に全線34.5km供用開始。
着手自体も平成9年(1997年)と比較的新しい自転車道です。
起点 | 福岡県直方市溝堀(勘六橋東詰付近) |
終点 | 福岡県北九州市若松区大字安屋(グリーンパーク北入り口) |
起点は平成筑豊鉄道伊田線あかぢ駅から750mほどですが、利便性考えると2km先のJR九州福北ゆかた線直方駅を利用したほうが良さそうです。博多駅からも1時間少々。終点最寄りはJR九州筑豊本線二島駅まで5km少々と、ちょっと距離があります。
直方市大字下境付近を起点とし、遠賀川左岸を下ってゆきます。御牧大橋で右岸に渡り狩尾岬へ向かい、海岸沿いを離れた後は国道495号線沿いに進み、北九州市若松区大字安屋のグリーンパーク北入口へ至ります。
始点において直方北九州自転車道と接続し、遠賀大橋から御牧大橋までの間をひびき灘自転車道と共用しています。
北九州遠賀川自転車道線を走る
遠賀川河川敷サイクリング道路に引き続いて、北九州遠賀川自転車道を走ります。全線開通が2019年と最近で、着手自体も1997年からという比較的新しい自転車道です。まあ、そもそも完成していない自転車道も多いですが……。
公式アピールの割にWikipediaの項目がなかったりするのもその辺の新しさが理由な気がします。参考にした先人の走破が2012年で、当時の整備状況はさっぱりだったようですし。
始点は正確に記載されているわけではないのですが、遠賀川河川敷サイクリング道路と接続しているのは間違いありません。勘六橋を北にゆくと、そこからは短い区間ですが青い矢羽の案内が始まります。向かう方向が変わらないので、向かい風6mの強風も変わりません……。
走り始めてすぐ右岸から公園の木橋を渡って左岸へ移ります。このあたりはオートキャンプ場があったりと公園エリアで、道も専用の自転車道ではなくやや粒の粗いアスファルトの一般道という感じ。
また、こちらの自転車道は一貫して河川敷を走るため、複数の橋の下を潜っていくのですが、全ての橋の下に標識があるのも特徴。橋の名前と、次の橋までの距離を表示してガイドしています。
公園を抜けると完全に自転車道モードに。数年前に大々的にイベントも行って開通しただけあり路面状況は非常に良好。標識もばっちりと走りやすさは申し分なし。
また、河川敷には広大な菜の花畑が広がっており、季節的なめぐり合わせが良かったこともあって非常に爽快に走れます。なにせ途中には「菜の花大橋」とまさにその名を冠した橋があるほど。
しばらく進むと合流してくる犬鳴川に差し掛かり、掛かっている石橋を渡ります。この石橋が完成したことで、全線開通と相成ったのでした。その前は大きく迂回するしかなかったようです。ちなみにこの石橋、GoogleMapでは航空写真には表示されるのですが通常マップでは表示されません。こういうところが信用ならない。
しばらく進みんだところで道が中洲方面に向かい、渡河橋を渡って中島へ。ここから中間市です。ぶっちゃけ草むらしかない中洲ですが、少し進むと再度渡河して河川敷に戻ります。
道が整備されすぎてて逆に書くことに困るくらいですが。気分良くスイスイ北上を続けます。いや、走ったこの日は超アゲインストでしたけれども。
仲間大橋に差し掛かる辺りから風景が変わり始めます。川面が非常に近くなり、遠賀川の反対側に水路もあるため、直線の長さも相まって河川敷ではなくまるで長い橋を渡っているかのような感覚になります。ただ、ちょっと強い雨降ったら絶対流されるだろという感じで不安にはなるのですが。
遠賀大橋を渡って程なくするとひびき灘自転車道線が合流してきて、御牧大橋までの間で3kmほど重複区間になります。
御牧大橋まで来たら堤防に上がり渡河。ひびき灘自転車道とはここで一旦お別れです。
渡河したら再度右岸側を北上。たまに標識が怪しいですが、川沿い行けばいいとわかっていれば迷うほどでもありません。狩尾岬目指して進んでいきます。
河口近くまで来るといったん河川沿いを離れ、自転車道ぽくない道に。国道495号線竹並バイパスを左折し山鹿唐戸交差点を右折、県道202号線を進み更に左折、標識は出てますがちょっと小さめ。なみかけ大橋手前まで来ると自転車道が復帰します。なみかけ大橋を渡るとひびき灘自転車道合流ですが、右手下のスロープを降りていきます。
500mほど海岸線走るとすぐ一旦海岸線を離れるのですが、砂地ゾーンがあり油断するとタイヤを取られて危険。抜けると真正面にトイレがあり、緑舗装が正解なので進むのですが、普通に車が止まってたりしてちょっと迷います。
道は狩尾岬のなみかけ遊歩道へ。海中鳥居や千畳敷と呼ばれる自然の石畳が広がる海岸線、そしてその向こうに広がる響灘はなかなかの絶景。いい感じの景勝地になっております。
2.7kmほどのなみかけ遊歩道を抜けたらはまゆう観光道路へ。石畳など舗装はあんまり自転車道向きではない上に、この辺は結構アップラウンが激しい。観光ポイントなので自販機やWCなどは完備。歩行者、自動車ともになかなかの交通量。
ここを海岸線を横目に抜けると、今度は国道495号線に合流し、ここからは少々のアップダウンもあるなか淡々と7kmほど先、ゴールのグリーンパーク入り口を目指します。あと、最初の十字路で495号線は左折していますので間違えないように。はい、間違えて3kmほど損しました。
でっかくグリーンパーク入り口が見えたら最後の案内板が設置してあり、そこが終点です。
実際のグリーンパーク入り口はもっと先なので、ここには看板以外何もありません。
次のひびき灘自転車道が待っているので、ひびき大橋方面に向かい、国道495号線竹並バイパスを通って遠賀川方面へ取って返します。ちなみに竹並バイパス沿いですが、道も新しめで人通りも少ないわりにはえらく歩道側が整備されており、来る時よりもずっと走りやすかったりしました。
北九州遠賀川自転車道線のまとめ
前半は終始河川敷を気分良く走行し、中盤は景勝地含む観光地を通り、最後は退屈な国道沿いを走り抜ける、というコースになっています。前半の河川敷は非常に走りやすく自転車道として優れていますし、中盤の海外線は人通りやコースの複雑さが増す反面景観に優れ、終盤は整備状況が落ちちょっと蛇足感があるものの軽いアップダウンのあるトレーニングコース気味。
全線通して路面・標識ともに文句のないレベルでさすが最近開通しただけのことはあるという感じ。ただ、495号線に関しては同じところ目指すなら竹並バイパス側使うわ感はあります。
前半の菜の花畑と水上レーン、中盤のなみかけ遊歩道あたりは一度は走ってみる価値はあると思うので、なかなかいい感じにまとまっている自転車道ではないかと。