鳴門徳島自転車道は、徳島県鳴門市撫養町から徳島市川内町までを結ぶ約32.8kmの大規模自転車道です。瀬戸内の海や淡路島、河口沿いを眺めながら、いくつかの海岸線と空港をパスして徳島を目指します。2023年9月18日走破。
鳴門徳島自転車道の基本情報
正式名称は徳島県道401号鳴門徳島自転車道線。
通称鳴門徳島自転車道。
昭和47年(1972年)から整備が開始され、昭和57年(1982年)整備完了、延長は32.8km。
Wikipediaでは実延長20km未供用17kmとなっているのですが、標識などの整備状況と道路台帳を照らし合わせると未供用というか重複と言った方が正しい気もします。正確な扱いは不明。
起点 | 徳島県鳴門市撫養町南浜東浜(鳴門市役所北) |
終点 | 徳島県徳島市川内町(吉野川と宮島江湖川接続部分) |
起点最寄りはJR鳴門駅から約650m。神戸から高速バスで来る場合は1時間半、高速鳴門駅下車で2kmほど。終点はJR徳島駅から約5km、和歌山から南海フェリーだと乗り場まで約7km。
徳島県鳴門市撫養町の鳴門市役所を起点とし、ヴォルテスロードを通って東進、岡崎海岸方面に向かった後一貫して海岸沿いを進行。旧吉野川を渡河した後徳島阿波おどり空港地下道を通り月見ヶ浜海浜公園横を通過。今切川を大きく回り込んで加賀須野橋を渡り、海岸沿いを進んで吉野川を遡り、阿波しらさぎ大橋を越えたところで終点の徳島県徳島市川内町へと至ります。
区間の大半がSetouchi veloの【TS-4】に含まれています。
鳴門徳島自転車道に至るまで
暦の上では秋のはずなのに暑さが緩む気配もない9月。どっかで同じ近畿地方の和歌山方面の大規模自転車道を制覇せねばならぬと考えていたものの、和歌山の裏側は列車であれば東京行くほうがよっぽど近いくらいなのでただ行くのは面白くない。
結果、有給も使って連休を作り、徳島へバスで渡ってから船で和歌山へ渡った後、紀伊半島をぐるっと回って三重も制覇する大規模自転車道行脚の旅に出ることにしました。和歌山市と松阪市で泊の2泊3日で6本制覇のコース。トータルでバス100km、船50km、電車550km、自転車220kmの旅です。
まずは神戸から阿波エクスプレスで徳島へ渡るのですが、この阿波エクスプレスは複数のバス会社が運行しておりここに罠が潜んでいます。会社ごとに輪行ルールが異なっており、JR西日本運行便は不可、JR四国バスまたは本四海峡バスのいずれかの運航便を選ばなければなりません(輪行できるか各バス会社に問い合わせてみた方がいたので参考にさせていただきました)。神戸側は早い時間はJR西日本運行が多く、走行開始が昼前までずれ込むことに。まずは三宮から明石大橋を渡り高速鳴門駅へ。
乗車時、特に気にされることもなく普通にトランクに放り込めたのは良かったのですが、車内で座席備え付けのUSBの充電ポートが死んでてちょっと悲しい気持ちになりました。
尚、現在鳴門大橋は自転車通行不可ですが2028年に自転車道が開通する予定で、神戸淡路島間の渡し船と併せて、いずれは自走で直接徳島県まで到達できるようになる予定です。
高速鳴門駅で下車、自転車を展開し一般道を2kmほど走って起点の鳴門市庁舎北へ向かいます。
鳴門徳島自転車道を走る
起点は鳴門市役所の北側に自転車道の案内板があります。通りは地元サッカーチームにちなんで「ヴォルティスロード」と名付けられており、チームカラー由来のカラー舗装がされています。
写真等撮っていると直ぐ側で植え込みの手入れをしていた御婦人に話かけられ、岡崎海岸綺麗なので気をつけて行って来い、と声援を受けつつスタート。まずはヴォルテスロードのラインに沿って進行しますが、道は至って普通の歩道。程なく、最初のサイクリングロード案内板が登場します。
この辺、TABIRINだとコースが違ったりしています。普通に考えて現地案内板が正しいでしょう。案内板自体も色落ちなどしておらず、作りから見ても比較的新しそう。
海岸沿いに出たら右折して進みますが、このあたりから旧吉野川河口あたりまでは鳴門徳島自転車道として道路台帳にも記載されている区間になります。とはいえ道はそこまで専用道感もないですが。
潮風を受けながら海岸沿いを往くのですが、大磯崎灯台近くで軽く山間(ぼら山といわし山)を通ります。別段キツイ坂でもないですが一箇所階段が登場。
大手海岸沿いに出ると4kmほど、左手に海、右手に田園風景というのどかなストレートが続きます。路面は軽くノイズ拾う程度には荒れてますがまあ気にするほどでもなく、人通りも殆ど無いのでなかなか走りやすい。
ほどなく案内板が離れ海岸沿いを離れます。
ちなみにこんだけ明確に案内板が出ているのに、何故か見落として行き止まりまで2kmほど無駄に突き進んで引っ返してきたという……。ぼーっとしてると信じられんものを見落とします。旧吉野川を渡るために橋を目指し一般道を進みますが、案内板はわりとしっかり。
旧吉野川に架かる大津橋を超えると再び道は海岸沿いへ。
河口付近から徳島阿波おどり空港へ向かいます。あちこち空港にユニークな名前付けることが多いですがちょっとどうなんだろうと思わなくもなく。空港は地下道で通り抜けますが、伊丹空港にも同じような通路がありますね。
空港パスして月見ヶ丘海水浴場沿いを走ります。このあたりはやや緑豊か。
コースを見れば分かる通り今切川河口へ向かって折り返してくるのですが、河口沿いに何があるわけでもなく、道が良いわけでもなく、曲がれば100mで先のコースに入れるのに1kmほど走らされるので無駄感が凄いです。ちょっとどうかと思いますね……。
ともあれ今切川を渡河するため、一旦遡って加賀須野橋を目指します。
加賀須野橋は平成26年に開通したばかりの徳島県内唯一の可動橋で、見た目が特徴的。初代の橋が車線少ないわ船が通れる幅が狭く5度も事故が起こるしで架け替えられたのだそうな。初代は跳ね橋でしたが、新橋は昇降式です。
橋を渡って再度海岸方面へ。このあたりは専用道になります。案内表示等はしっかりしているものの、道はだいぶ荒れ気味。クラックや自然の侵食が目立ちます。
ちなみに長原渡船は県内唯一の渡し船で、自転車までは乗れるようなので先程通ってきた対岸から船でショートカットが出来る模様。7kmくらい端折れるので結構大きい。待ち時間が合わないと走った方が早そうですが。
しばらくすると進む先に徳島自動車道が見えてくるのですが、このあたりの専用同区間が一番荒れかたが酷い。周辺が田畑なこともあり、人の通行量も少ないことが容易に見て取れ草木に侵食されまくり。
徳島自動車道高架下のトンネルをパスし、川内橋を渡り宮島江湖川を越えるのですがここでトラブル。工事による通行止めです。
正常に進行していればトイレ付き休憩所の小松休憩所があるところでしたがやむなし。距離としては2kmほどですが、正しい迂回路がわからず道がぐねぐね曲がりくねっていたため結構右往左往しました。
どうにか合流し、専用道を通って吉野川へ向かいます。長い区間ではないですが結構雰囲気のいい区間ですね。吉野川まで出ると案内図が設置されており、吉野川サンライズ大橋、阿波しらさぎ大橋を越えて吉野川大橋を目指します。
ここらへんは河川沿いのよく整備されたアスファルト道。特にイベントも見どころもなく、終点と思わしきポイントへ到着します。特に標識もないのですが、車止めが設置してあり、そのまま進むと車道に合流してしまうため、まあここだろうという感じ。
起点終点は表示してくれると嬉しいんだけどなあ、といつも思うのですが。吉野川大橋北詰付近も確認してみましたが、特にそれらしきものは見当たらず。これにて鳴門徳島阿南自転車道は終了、4kmほど先の徳島駅から撤収します。
鳴門徳島自転車道のまとめ
標識の整備状況は良好、しかし路面状況は決して良いとは言い難く。専用道区間も割と古くて荒れている箇所が多いですし、一般道との重用区間は言うに及ばず。海岸沿いと河口付近はわりと専用道多めですが、内陸側に入ると大体一般道になります。
海岸沿いはわりと気分良く走れます。ただ基本的に何もない海岸や田園風景を突っ切る形なので、近隣の海浜公園等スポットは限定的。ショップ系の補給所もほぼ無しです。まあ、道を離れればなんとでもなりますが。
直線距離だと10km少々のところを30kmほど走らされる上に、これと言った見どころもないのがわりとビミョーな感じ。海岸沿いの走り心地はなかなかので、地元のお散歩コースといった感じでしょうか。