K3、荒川自転車道を往く

大規模自転車道
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荒川自転車道は、さいたま市浦和区常磐から埼玉県比企郡滑川町山田までを結ぶ約45.6kmの大規模自転車道です。大人気の荒川サイクリングロード、通称「荒サイ」と呼ばれるコースの北半分で、首都圏指折りの人気自転車道として知られています。2023年12月29日走破。

荒川自転車道の基本情報

正式名称は埼玉県道155号さいたま武蔵丘陵森林公園自転車道線
通称荒川自転車道。東京側の緊急用河川敷道路と併せて荒川サイクリングロード荒サイとも。
計画延長45.6km、昭和48年(1973年)整備開、始昭和55年(1980年)整備完了。

起点埼玉県さいたま市浦和区常盤9丁目(北浦和駅西口入口交差点)
終点埼玉県比企郡滑川町山田(武蔵丘陵森林公園前)
大規模自転車道とは?

起点最寄りはJR西浦和駅で100mほど。終点最寄りは東武鉄道東武東上線森林公園駅から5.5km、またはJR熊谷駅まで8kmほど。

埼玉県さいたま市浦和区常盤の北浦和駅西口、北浦和駅入口交差点及び北浦和公園駅前を起点とし、国道463号線沿いを進行。荒川に出たところで左岸北上を開始し、国道16号に当たったところで上江橋を渡り右岸へ。市野川に分岐したところで松永橋を渡り再度荒川方面へ渡り北上。県道367号線に乗って荒川を離れ、埼玉県比企郡滑川町山田の武蔵丘陵森林公園前終点へ至ります。

入間大橋で入間川自転車道へ、松永橋で比企自転車道へと接続します。

荒川自転車道に至るまで

時は年末。いつも通り関東に来たので自転車道へ出撃です。夏は油断すると倒れるレベルの暑さが、冬は走行可能時間の短さが問題で、丁度いい時期に来たいもんですが……。

今回の目的地は「荒サイ」の埼玉県側として知られる荒川自転車道。関東では最も通行量の多い自転車道の一つで、休日や日中の夕方はジョガーや近隣住民の皆様の散歩でごった返すとの評判は関西住まいの自分でも聞き及ぶ所。

もう一本走る予定を組んで、終点から起点側へ走行する計画です。

この日は行きの新幹線から富士山がきれいに見える日和

始発新幹線で東京へ向かい、JRで熊谷駅へ。油断してたら1駅乗り過ごすとかいうボケかましつつ、熊谷駅から出発。

熊川駅でセットアップ

途中、公園で機関車の展示を発見。

デゴイチだー!

「デゴイチ」という名はなぜか幼少期よりSLの代名詞として記憶されているのですが、どこで刷り込まれたのかは定かではありません。

途中、武蔵丘陵公園西側の自転車道表示

現着前の道にも案内整備がしっかりされており、整備の力の入れようが見て取れます。自転車道と記載がありますが、この辺は特に何か指定されている道ではない様子。

荒川自転車道を走る

旧国交省地図では、県道173号と県道307号交点の福田交差点が終点になっています。現地でもそれっぽい雰囲気は感じないではないですが、県公式のサイクリングロードマップなどではもう少し先。

福田交差点付近、それっぽく見えなくもない

自転車道のコース分けピクトグラムはこの後起点方面まで一貫してます。江戸川自転車道でも同じピクトグラムを見たので、多分県の共通仕様ですね。

歩行者が赤、自転車が青

武蔵丘陵森林公園の中央口前まで行くと荒川自転車道の大きく年季の入った案内図があり、自転車道がスタートします。案内図は随分傷んでいますが、表記が「さいたま」なので平成13年以降ではあるはず(さいたま市は平成の大合併で平成13年(2001年)に浦和市・大宮市・与野市が合併して誕生)。

この辺の案内図の寿命は施工方法によって大きく変わるものだなあ、と各所見て。多分さいたまになる前は浦和表記だったはず。

武蔵丘陵森林公園前の案内板
案内図拡大、「荒川自転車道」表記がしっかり

道の方もそこそこ年季が入ってます。当初はすれ違うの困りそうな程度に道幅がちょっと狭い。

自転車すれ違いにはちょっと困りそうな道幅

要所要所に案内図が設置されてます。が、設置されてる鉄柱も含めて傷みが激しい。

剥がれかかった案内図

塗料が退色しているのもよく見ますが、直接印刷してないフィルム加工っぽいので耐久性に問題ありそう。張り替え前提と思われるのでコストも安そうですが、予算付けるかどうかですね

え。

荒川手前の五叉路表示

県道307号線沿いの自転車道を走り、7kmほどで五叉路を経ていよいよ荒川へ登ります。

荒川右岸堤防、架構まで68.4kmのキロポスト

うーん、思ってたよりは道が渋い気がします。当日は年末ということもあり人の姿はさほど見当たらず。まあ、混雑してるのはもっと河口よりの方でしょうけれども。

完全に剥がれてしまった案内図

道中古い案内図があるのですが一部「さいたま」を後から貼り付けた様子が見て取れます。これらは平生13年以前、おそらくは自転車道供用開始時からの半世紀モノでありましょう。元々は「浦和」だったのかな。

「さいたま」が上から貼られた案内板

尚、開始してほどなく左手にゴルフコースや各種グラウンドが見え、県道との交差でアンダーパスを通過する際に右手に「吉見総合運動公園管理事務所」が見えるのですが、ここにはサイクルステーションが開設されており売店及び自販機の利用や休憩が行えます。

少し進むと「川幅日本一」の案内板。その幅なんと約2.5km。普段の川幅は数十m程度ですが、荒川はその名の通り暴れ川。一度大雨が降り洪水となった際には河川敷を含めた大河が姿を表します

川幅日本一地点、河口までは62km

堤防上を進んでいきます。上流域の堤防道路にありがちですが、特に休憩所的なものもなく、なんらイベントもなく気分良く走るのみ。ロードで流す分にはいいですが小径車だと若干物足りない。上流域は周辺がほぼ田畑なので、これといった補給ポイントもないのは同県の江戸川自転車道走ったときと似た感じ。

様式の違う案内図、さいたま貼り付けてるので相当古いモノ

途中吉見町付近でさくら堤公園を抜けます。季節が春なら桜色の道を走り抜けられることでしょう。もっとも、花見時期の自転車道って歩いてる人が多いので走れるかというと微妙なところですが。多分押し歩き。

地元の人が花見してそうなところ

市野川との合流点で松永橋を渡ると、比企自転車道との分岐点が現れます。こちらはまたの機会に。

右折すると市野川沿いに比企自転車道へ
堤防を上がったところの分岐表示

このあたりから道幅が平均的に広くなってきます。舗装状況も良好でさすが荒サイといった感じに。

ひっろーい
地元の案内看板

入間川と合流する当たりで、堤防工事による迂回指示。時期的に、記事執筆時はもう終了しているはずですが。素直に入間大橋を渡って迂回します。

入間川に回避する旨の迂回指示

丁度分岐点が入間大橋だったので、渡った先が入間川自転車道の起点になっています。こちらもまた別の機会に。

遥か延びる入間川自転車道

入間川堤防上も自転車道指定こそないものの普通に舗装されており、上江橋へ至ったところで渡河して本道復帰。大きな橋を渡るときはいつもですが、方向間違えるとめっちゃ遠回りさせられる時があります。上江橋は本来南側を走行するのが正解ルートですが、北側でも降りてアンダーパス抜けて南側の正規ルートへ出られました。

ここから上江橋を離脱して南側へ

再び荒川自転車道へ復帰して荒川左岸を走行します。

サイクリング専用道路というなかなか聞き慣れない響き

途中埼京線を越え、2kmほど進んで西遊馬公園過ぎたところで堤防を降りて河川敷方面へ。グラウンドなどが広がる中を走り抜けます。この辺り微妙に進行方向がわかりにくい。というか実際迷いました。標識が現れてとりあえず合ってるんだと安心。

右手にゴルフコース見ながら35km表示
40km表示、ゴールはすぐ

のんびり走りますがわざわざこっち回らなくても堤防上走らせてくれれば感はあります。国道463号線にぶつかるところで再び堤防側に上がります。なのですが。

右手に標識、拡大してみると……
なんか来たのと違う方向差してません……?

この標識は現地で地図見ながらだいぶ混乱しました。通ってきた道に荒川自転車道の距離表示があったので間違ってるはずがないのですが、案内図の矢印は明らかに堤防上の道路を差しているという。やっぱり堤防の上走るんかーい!

長らく堤防上の工事をしていたらしく、河川敷側は回避ルートだったようです。確かに旧国交省上の地図も一部河川敷側通るものの、羽根倉橋近辺は堤防上走ってます。堤防上の舗装路が整備されれれば、そのうち標識が立つでしょう。

ここから浦和方面へ進みますが、ただの歩行者自転車道で自転車道っぽさは全くなし、標識もなし。北浦和駅西口手前の交差点まで到着し、当たり探してみるも案内図や起点らしきものはなし。北浦和公園入口を暫定起点として終了。

尚、大きく看板が立っている通り、北浦和公園には埼玉県立近代美術館があり、各種展示などが行われております。

ここを荒川サイクリングロード起点とする

これにて荒川自転車道は終了。いわゆる「荒サイ」自体は羽根倉橋を南へ過ぎた後も荒川沿いに更に45kmほど河口側の葛西臨海公園付近まで管理道路が整理されており、むしろこちらが本番という話もあります。が、こちらの記事はあくまで大規模自転車道がターゲットなのでまたの機会に。

次の目的地である芝川自転車道へ向けて移動を開始します。

荒川自転車道のまとめ

起点から羽根倉橋区間を除いて案内表示などの整備状況は(傷んではいるものの)良好。路面状況は北部はやや荒れ気味だったり狭かったりするところはありますが許容範囲。堤防上を走る区間は概ね走行に快適で、利用者が多いのもなるほどというところ。走行中も結構な数とすれ違ったり追い抜かれたりしました。ただちゃんと整備されていることの裏返しですが、工事で迂回があったり、若干迷いやすくなるのは難。

他方、見どころは若干寂しい感じもあり、終点の武蔵丘陵公園や川幅日本一ポイントや桜並木といった箇所はあるものの、道中の名所的なものは乏しく、生活道路、トレーニングコースといった風合いが大変強くなっております。武蔵丘陵公園の中にも17kmのサイクリングコースがありますし、自転車道自体の距離も長いので走るには持って来い。

東京側まで走れば葛飾浅草スカイツリー、その先には葛西臨海公園に夢の国とまさに東京といった風情で、距離もあって首都圏一の人気自転車道と言われるのも納得。ただし東京側は道幅があり整備されているようですが自転車道ではないため、徐行が義務付けられています(人の多い自転車道は大抵そうなりますが)。

今度は東京から通しで走ってみたいところ。

参考にした先人の足跡
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