びわ湖レイクサイド自転車道は、滋賀県守山市今浜町から志賀町北小松までを結ぶ計画延長20.5kmの大規模自転車道です。現在はコースの大半がビワイチに組み込まれており、結果利用者数は非常に多い自転車道となっています。2023年11月4日走破/2024年9月21日再走。
びわ湖レイクサイド自転車道の基本情報
正式名称は滋賀県道601号守山大津志賀自転車道線。
通称びわ湖レイクサイド自転車道、表記揺れでびわ湖レークサイド自転車道。
計画延長20.5km、昭和62年(1877年)着手、平成15年(2003年)時点で整備済み延長は15.9km。
起点 | 滋賀県守山市今浜町(なぎさ公園) |
終点 | 滋賀県大津市北小松(北小松駅) |
起点最寄りはJR湖西線堅田駅から5km。終点最寄りは同じくJR湖西線の北小松駅。
滋賀県守山市今浜町のなぎさ公園を起点とし、琵琶湖大橋を渡河。県道558号線沿いに和邇駅前まで進み、JRと並走する専用道が開始。蓬莱駅手前八所神社から海岸沿いにルートを変え志賀駅まで。再び専用道が復活し、滋賀県志賀町北小松の北小松駅へ至ります。
終点から遡る形で整備済み区間全域がビワイチの「低速コース」に組み込まれています。
びわ湖レイクサイド自転車道に至るまで
先日ビワイチを走った際にこちらの自転車道の記録もしていたのですが、帰宅後調査で結構なコースミスが発覚。そんなに遠くないので再走後に記事化しようと思っていたところ、気がつけば1年近くが経っていました。
いい加減宿題を片付けようと重い腰を上げ再走へ。こちらの自転車道は大半がビワイチに組み込まれており、ビワイチは基本反時計回りに走ることしか想定されていないため、こちらの自転車道も終点から起点に走る方が非常に走りやすいです。
ということで、関西が誇る新快速に乗って一路北小松駅へ。北小松駅はわりとローカルな駅ですが、この区間は新快速が各駅停車になっています。
尚、この日の現地最高気温は9月も後半だというのに31℃。秋は何処へ。
びわ湖レイクサイド自転車道を走る
びわ湖レイクサイド自転車道の計画上の起点は北小松駅のようです。
ビワイチでも横目に見える駅ですが、各地図でも未整備区間になっている通り専用道のようなものはなく、普通にビワイチのブルーラインが引かれているだけです。実質の起点は500mほど先になりますのでえっちらおっちらスタート。
整備済み区間スタート(0.5km~)
国道161号線を横断歩道で渡ったところから専用区間がスタート。国道161号線は通行量が多い割に信号がなくてちょっと怖い。
ヘキサ完備、案内板完備、車止めヨシ、舗装ヨシ、ビワイチ表示ヨシのフル装備でお出迎え。
案内板には整備済み区間のみが記載され、未整備区間のルートについては一切記載がありません。整備が進んだらどうするつもりだったんだろう。元々打ち止めのつもりだったのかもしれませんが。
自転車道は同じ滋賀県の大規模自転車道であるびわ湖よし笛ロード同様の臙脂色で舗装されており、ビワイチのブルーラインとセットで自転車道の存在を強く主張します。
スタート地点はわりと最近塗り直したっぽいですが、すぐにやや古びた感じに。言うほど琵琶湖側を走りませんがたまに見えるといい景色。
1kmほどで進んだところで先程乗ってきたJRの高架が登場。この後もたまに離れたりしながら、概ねJRと併走していきます。
近江舞子駅を過ぎて少ししたところで一旦JR高架を離れて湖岸方面に大きくルートを取ります。
ルートは大きく弧を描いて再度JR高架沿いへ戻り、比良駅前を通過した後今度は山側の田園地帯へ。
左手離れたところにJR高架、右手には比良山、間に広がる田園風景とまっすぐ伸びる自転車道。直近は一時的に需給バランスが崩れ米騒動になってましたが、稲は刈り取り時期。まだ刈り入れが始まってない田んぼは黄金の野が広がってます。
途中荒川近辺は住宅地になりますが専用道は途切れること無く続きます。
志賀駅まで到達して専用道区間は一旦途切れます。
志賀駅を通過し湖岸沿い区間へ(8km~)
志賀駅通過後はブルーラインに沿って湖岸沿いへ。えんじ色の専用自道ではなくなりますが、このあたりは整備済み区間として記載されています。
湖岸沿いルートはそこここに休憩所や小さな公園が設置されており、琵琶湖を眺めながら一息つけます。今回は平日訪問だったので誰もいませんでしたが、連休中等ハイシーズンはそこそこ賑わいます。古い民家に緑が多く、走っていてもなかなか気分のよいエリア。ただたまに車とすれ違います。
レイクサイド自転車道と言いつつ真面目にレイクサイドなのはこのあたりだけだったりはしますが。3kmほど走ると真正面にJR高架、その下から八所神社を捉え、湖岸区間は終了。視覚的に区切りが付きやすいところなので地図開いたり高架の日陰で水分補給したり。
八所神社を通過し再度専用道区間へ(11km~)
八所神社前を過ぎると、高速コースと低速コースが大きく分岐します。高速コースはJR高架東側の県道558号高島大津線沿いを、低速コースはJR高架西側の一般道を進行。
今回は行程の趣旨から高速コースを選択。100mほど進むと右手に大きく迂回する車道の脇にえんじ色の専用道が登場します。
ちなみにこの交差点のところに「菓匠将満」という和菓子屋があり、色んな種類の大福を1個100円とかで売ってます。近所に餅発祥の地と言われる小野神社があり、餅発祥の地で滋賀羽二重餅米を贅沢に使用した大福やみたらし団子がこのお値段。太る。
全国に店舗出してたり催事場等で見かけるお店の本店なのですが「創業◯◯年」とか謳わないあたり結構新しい会社なのかしら。
閑話休題。専用道復帰し、再度えんじ色の専用道へ。右手のJRは高架ではなく土手となり、左手には田園風景が広がります。途中案内板とヘキサも確認。ただ、この専用道は地理院地図では何故か県道扱いされていません。ヘキサ立ってるのに。ミスなのかなんなのか。
進んでいくと途中に出雲大社近江分祀への道案内が出てたりしますが、気分良く走ってると和邇(わに)駅前で専用道及び案内図や各種地図に記載された整備済み区間します。
低速コースはJR高架を交差し西側の住宅街を走ります。が、ここは過去の想定ルートに従い、直進して和邇駅前を抜け、県道558号線の高速コース側へ抜けます。
和邇駅を通過し未整備区間へ(13km~)
ロードレーサーは車道を走ればいいのですが、県道558号線高倉大津線脇には少なくとも琵琶湖大橋まで歩行者自転車道が整備されているため、折りたたみ自転車でもそちらを通行すれば問題ありません。途中左右スイッチはありますが。
左右に大小の大規模店舗や飲食店が並ぶ幹線道路を進んでいき、JR小野駅横を通過。JR小野駅は京阪電鉄が近隣に開発したびわ湖ローズタウン最寄り駅として、京阪電鉄の全額負担で1983年に建設されたJR湖西線で最も新しい駅だそうな。鉄道会社が不動産主力にしてる一つの例ですね。
小野駅を過ぎてすぐ自転車屋「どてるし」が見えます。いつ来てもラックに自転車が掛けてある。
大橋手前の未整備小道エリアへ(16km~)
どてるしを過ぎて500mほど、県道558号線が大きなカーブを描くポイントが現れます。ここで県道558号線を離れ湖岸側へ。私道等もあってわかりにくいですが、正確なルート描けるわけでもないのでわりと適当です。一応、ビワイチのオプションコースにも指定されてるのでそちらを参照するのもあり。
この辺りは県道指定もなくルートが判然としませんが、通れる道自体もそう多くはないです。できるだけ湖岸側の道を進む形で選択。
湖岸沿いの真野浜水泳場の道も、歩行者道ですが「軽車両除く」なので走行可能。ただダートなのでオススメはできません。
真野川にぶつかったら橋がかかっているので渡ります。尚この橋、googleMapストリートビューで2010年時点では存在せず、2011年5月に走った記事には掛かっているのでその間後に掛けられた橋となっています。2019年頃までは「ぐるっとびわ湖サイクルライン」の案内札があったのですが、現在は無くなってしまっています。
多分、ビワイチ用に架けはしたものの、使い勝手悪くて破棄したとかですかね。一応オプションルートには使われているみたいですし。
橋を渡って左折しすぐ右折。細い道を進んでいくと、道の駅 びわ湖大橋 米プラザの駐車場裏口っぽいところに出ます。中に入るとすぐ道の駅本体へ。
こちらでは近隣の各種お土産がずらっと並んでますが、ようやく米不足が解消し始めたこのタイミングでも地元近江生産の米がずらっと並んでおり、買っていくお客さんが大量にいました。地元流通は強い。
道の駅を出て、琵琶湖大橋へと坂を登ります。
琵琶湖大橋は全長1.4km、有料道路ですが歩行者及び自転車は無料。自転車道が併設されたのは昭和55年(1980年)です。20mほどの上りになるのでぼちぼちの傾斜ですがスポーツ自転車なら苦になるレベルではありません。途中のスペースからの琵琶湖眺望は見事です。
上りがあれば下りがありスピード注意。料金所横を抜けて平地へ。
すぐにヘキサと「琵琶湖レークサイド自転車道」の表示札を発見。その表記揺れはどうなんだと思いつつ、指示通りのコースへ。尚、このレークサイド自転車道区間は「ぐるっと琵琶湖サイクルライン」からもビワイチコースからも外れています。
短い専用区間を抜け振り返ると同様の表示。これがびわ湖レイクサイド自転車道の表示としては最後のものになります。写真見て分かる通り自転車道とは反対の左手奥にぐるっとびわ湖サイクルラインの表示があり、ブルーラインもすべてそちらに向かっています。
近隣の最大拠点であるピエリ守山横を抜け、ゴールのなぎさ公園を目指します。
ゴールのなぎさ公園
びわ湖レイクサイド自転車道の起点ははっきりしません。第2なぎさ公園横の歩道に湖岸堤・管理用道起点の表記があるので、多分その手間、第1なぎさ公園横な気はします。ただ現在は第2なぎさ公園がビワイチの起終点になってますので、そこでいいんじゃないでしょうか。
これにてびわ湖レイクサイド自転車道、完走です。琵琶湖大橋を再度渡り、堅田駅へ。
今度はK9Xでビワイチ走る時にまた来ますかね。
びわ湖レイクサイド自転車道のまとめ
整備済み区間は案内、整備状況ともに全く問題なく高水準。他方未整備区間は完全に放棄された感が強く、そもそも自転車道の体を為していません。尚、ナショナルサイクルルートとして指定されているビワイチは基本的には低速コースの方なので、びわ湖レイクサイド自転車道の整備済み区間=ナショナルサイクルルートでもあり、当然といえば当然でもあります。
整備済み区間がわりと人口密集地を避けて通りますが、途中にJRの駅も複数ある通り自販機やお手洗いはポイントで探せばありますし、未整備区間周りは飲食店や店舗が多数で補給などで困ることはありません。
琵琶湖湖岸の青と、近江の田園風景の緑や黄金色、琵琶湖大橋の絶景等を楽しむコースで、観光地的な見どころにはやや欠けます。水中鳥居はちょっと北ですし。とはいえ、今となっては個別に走るコースではなくビワイチの一部として通過する路線ですし、起点近くではサイクリストの聖地碑やBIWAKOモニュメントの写真を撮影する人がどんどんやってきます。
今となっては事実上大規模自転車道としての個別の価値を失い、その存在意義はビワイチの一部としての方にありますが、走りながら「こんな道もあるんだね」と意識していただくのも一興ではと。