DAHON公式激推しのK9X用新アクセサリー、SCHWALBE(シュワルベ)の16インチ「Billy Bonkers(ビリー・ボンカーズ)」タイヤ。早速入手・導入してみましたので、インプレッションと雑多なお話など。こいつはなかなかやる奴ですよ?
導入の流れとインプレ総論
発表時9月頃入荷予定と予告されていましたが、連絡貰ったのは10月3日。時期的にはギリギリ9月頃か……と思いつつ、週末に受取へ。
ビリー・ボンカーズ導入
行きつけのお店へ赴き、その場でセッティングまで依頼。デフォルトCSTタイヤからの交換で、チューブは確認したらCSTの1.5-1.75だったのでそのまま継続。1.5以下だったらその場で購入するつもりでしたが、シュワルベのチューブで仏式16×1.75~2.50があるので次はこれに替えます。
やはり見た目は一気にワイルドさが増します。9速ギアやディスクブレーキと合わさって無駄にワクワク感を誘うルックスになるのが大変よろしい。ついでに、2000kmくらいしか走ってないはずなのにチェーンがめっちゃ伸びてたので交換。多分、クッソ暑い真夏の日差しの中で坂道ガンガン登る羽目になったせいかな……。
実走!
ということで軽くデフォタイヤの試乗車と乗り比べた後、1日走ってみました。
一番懸念していたのは走った時にゴロゴロ感が出たりノイズが大きかったりというブロックタイヤ特有のネガティブ面でした。が、走ってみたらゴロゴロ感の方は路面の影響なのかタイヤの影響なのかわからないレベル。そもそも通常のアスファルトはわりと凸凹なので、コンクリート路面のようなツルツルならわかるくらい差が出るかも?
ノイズの方は気持ち感じないではないですが、こちらも殆どわからないレベル。というか注油サボったチェーンの方が煩い。比較しようと録音してみましたが、実際聞いてみたらわからなかったのでネタとしてボツにしました。ノブがかなり密に敷き詰められてるので、ブロックタイヤではあるものの通常の溝つきタイヤとかグラベルタイヤに近い特性なんですかね。
追記:その後、まっさらに近い密度の高いアスファルト走ってみました。20km越えるあたりから「モーターかお前は」みたいな勢いでギュンギュン言い始めます。
空気圧がデフォタイヤが4.1bar-6.8barのところ4bar以下なので、増えたエアボリュームと合わさって路面からの衝撃はマイルドに。2インチのワイド幅にブロックタイヤのグリップと合わせて地面をしっかり捉えて推進力に変えてる感があります。が、重さとも言えなくはなく、若干好みがありそうな変化かなーとは思います。
公園の未舗装地面走ってみましたが、これはもう明らかに違いがわかる。さすがMTB向けタイヤで、デフォタイヤにあった上滑り感がなく、地面をしっかり捉えます。個人的に未舗装ダートや最悪砂浜を走る機会が少なくないので、これだけで採用できます。
あと、ディスクブレーキが効きすぎるせいでたまにロックが掛かってケツを振ることがあったのですが、グリップ向上でそちらも大幅改善。
地元のサイクリングロードを10kmほど走ってみましたが、全速時に気持ち最高速が落ちたかな?感はあったものの、全体的な走行感は非常に好印象です。ただ、軽量=薄いなので、ノブの高さがあるとはいえ実際何かが刺さった時の耐性は低いと思われます。特にサイドウォールが薄いとかなんとか。インプレはここまで。
DAHON JAPAN公式情報と四方山話
そもそもの公式のお話。2024年7月に、K9X向け公式アクセサリーとしてSCHWALBE(シュワルベ)の「Billy Bonkers(ビリー・ボンカーズ)」16インチ取り扱いが発表されました。それまでシュワルベ公式のラインナップになかったはずなので、K9X用に直接交渉したものかと。
ということ(なのかは知りませんが)で販売にも力が入っており、比較からレビューまでやってる記事を出しているので、こちら見ておけば事足ります。大本営発表とはいえここまで紹介されてると特に書くことがないのですが。ぶっちゃけ、個人的な印象もそんなに変わるところがないです。
少なくとも国内はDAHON JAPAN(というかアキボウ)専売とのことで、販売不振だとディスコンがあり得るので売れてくれないと困るのですが、初回分は予約完売のようです。K9X自体も好調と聞きますし何より。
Billy Bonkers(ビリー・ボンカーズ)のあれこれ
ビリー・ボンカーズって誰やねん、というのはさておき、どういうタイヤなのか。ちなみにシュワルベ本国製品情報サイトにおいて、16インチは遅くとも9月時点では掲載されてます。
シュワルベの公式サイトにおけるビリー・ボンカーズの説明ですが、いきなり「SAY HI TO BILLY BONKERS!(ビリー・ボンカーズによろしく!)」とかいうご機嫌な挨拶から始まります。それは同じくシュワルベのタイヤであるブラック・ジャックに言うべきではなくて?と思って見に行くとそちらはめっちゃ普通。
想定局面はMTBのパンプトラック・ダートジャンプ・スロープスタイル、つまりは「めっちゃ坂や凹凸の設けられたダートコースを跳んだり跳ねたりする」用のタイヤです。求められる要素はジャンプに必要なトップスピード、着地時のコントロール。つまりきちんと転がりつつも地面をガッツリグリップする能力の両立。
一見縁遠そうな折りたたみ小径自転車とMTBですが、小径車は構造上フレームやホイールに衝撃を逃がす余力がないため、自転車本体や人体に及ぶそれらをパーツで回避する必要があります。というわけで、衝撃に強いMTB系のパーツがわりとよく使われます。ビリー・ボンカーズ以外にビッグ・ジョー等のタイヤを試す人も見かけたりとか。
ビリー・ボンカーズはそのMTB系タイヤの中でも速度を出すためノブが高すぎず目が詰まっておりオンロードでも走りやすく、かつグリップも良好で軽量、といういいとこ取りみたいなタイヤになっております。
ただ、ラインナップを見てわかる通り、ビリー・ボンカーズは基本ビードがフォールディング(繊維)のタイヤなのですが、16インチはワイヤー(金属ワイヤー)になってます。重量はフォールディングの方が軽い反面、お値段は高くなる。具体的に言うと30gくらいの軽量化と引き換えにお値段2000円くらい上がるイメージ。ここはそもそも欲しいのはトレッドパターンなので、コストバランス取ったんでしょうかね?
K9Xの16インチビリー・ボンカーズまとめ
ということで通常の街乗り用途でも大きなデメリットが見当たらず、不整地は大得意で、重量もデフォから据え置き、と個人的には非常に好印象なビリー・ボンカーズ。ただBIG APPLE(ビッグアップル)等からの変更だとまた印象が変わるかもしれません。個人的にオススメしたいのは下記のような皆様方。
- ワイルドな見た目が好み
- 未舗装路や砂浜などの不整地、雨天等の悪環境でよく走る
- デフォタイヤから変えたいが重量増加はイヤ
- コストにはそこまでこだわらない又はトータル走行距離そんなに走らない
最後の点、16インチのビリー・ボンカーズのお値段は税込み\6,380。ヨドバシの26インチと同等と気持ちお高めで、前後2本で諭吉さん改め栄一さんが旅立ちます。消耗品であることも考えると、気になる人は気になるかと。
とはいえ性能は申し分無く、(展開に向けた公式の企業努力も含め)これまで言及した通りお値段相応の価値はあると思いますので、検討の価値は大いにありましょう。そもそもK9X乗ってカスタマイズ気にしてる時点で基本道楽者しかいない気はしますが。理想への渇望と物欲の前には是非もなしです。