知多半島サイクリングロードは、愛知県知多郡武豊町字嶋田から大府市吉田町までを結ぶ31.1kmの大規模自転車道です。某有名競馬騎手のような名前の地域から、自動車専用道路や用水路沿いに知多半島を縦断しますが、ちょっと未整備区間多め。2024年10月13日走破。
知多半島サイクリングロードの基本情報
正式名称は愛知県道511号武豊大府自転車道線。
通称は知多半島サイクリングロード。
総延長31.1kmなのですが、地図上計測でも実際に走行しても33km少々になります。
平成2年(1990年)整備開始、北部の大半が未整備区間で、公式に代替ルートが設定されています。
起点 | 愛知県知多郡武豊町字嶋田(嶋田交差点近く) |
終点 | 愛知県大府市吉田町(半月町一丁目東交差点) |
起点最寄りは名古屋鉄道知多武豊駅でおおよそ3.5km、愛知の中心名古屋からは特急で40分ほど。終点最寄りはJR東海道本線大府駅から1.5km。
愛知県知多郡武豊町字嶋田、南知多道路武豊IC近くの起点を出発し、すぐにある新池休憩所を通過の後南知多道路沿いを進行、新設中の北武豊ICを通過。神戸川を超えたところで県道34号半田常滑線へ乗り換えの後、案内表示に従って半田ぴよログスポーツパーク横を通過。矢勝川沿いを進み、彼岸花の群生地を抜けた後はしばらく未整備区間に。阿久比川左岸を北上し、県道46号西尾知多線と交差したところで乗り換え。佐布池方面に進んだ後、愛知用水沿いに進み、大堀緑道通過の後県道252号大府常滑線沿いへ。県道23号東浦名古屋線へ乗り換え、終点大府市吉田町の半月町一丁目東交差点に至ります。
近隣に隣接する自転車道は見受けられません。
知多半島サイクリングロードに至るまで
新大阪から始発ののぞみに乗り50分、名古屋駅で名鉄特急に乗り40分。名古屋に3本ある大規模自転車道のうち、知多半島を走る「知多半島サイクリングロード」を目指します。
着いたのは名鉄知多武豊駅。武豊の読み方は「タケユタカ」ではなく「タケトヨ」。ちなみに500mほどのご近所にJR「武豊駅」があり、そのまま「武豊線」の終点となっています。
ただ名前が似てるだけではありますが、名前つながりでレジェンドこと武豊ジョッキーが一日町長を務めたこともあります。とか書いてたら本人動画がタイムリーに公開されました。該当部分は9:05あたりから。「私の町なんです」とか定番ネタをかましております。
余談はさておき、起点はこの知多武豊駅から3.5kmほど先の南知多道路沿いにあります。県道72号線沿いに起点目指し車道沿いをえっちらおっちら。
知多半島サイクリングロードを走る
起点は愛知県知多郡武豊町字嶋田、南知多道路の武豊ICから少し北にあります。
起点
起点はなかなかに立派。広いスペースにヘキサ、当初からあると思われる石碑、比較的新しい詳細案内図、駐車場に駐輪場にベンチとフルセット完備。無いのは売店自販機くらいですが、それも100mほど西に行くとローソンがあります。
この手の直接書いてあるタイプはネットに載ってないことが多いので現地に来ないと見られない。最新の案内図の方は公式サイトにPDFでも掲載されており、詳細にルート解説もされています。ルート自体は新しい地図見てれば問題なし。
一通り写真撮ってスタートです。この日は少々風があるものの、晴天で気温は20℃半ばと絶好の自転車日和。また、K9Xをビリー・ボンカーズに履き換えてのロングライドデビュー。
路面の方はさすがに時間が経ってるのか、跡を残して白線が消えてますが、コンディション自体はなかなかで道幅も2m程度と充分。多少アップダウンがありますが高低差はせいぜい20m前後。
新池休憩所
出発から500mほどで分岐が登場。左側は自転車道で、右側は自転車道の新池休憩所になってます。
普段見る自転車道の案内図は大体金属枠とか木(を模倣した石製)が多いのですが、この自転車道に関してはガッツリ石とかレンガとか造りがしっかりしてます。と言っても、この後殆ど出てこないのですが。休憩所側に一旦降りても、その後まっすぐ進むと再度合流してきます。
進んでいくと自転車道の高度が少し上がり、元々並走していた南知多道路とフェンス1枚で完全に横並びの形に。南知多道路は有料の地域高規格道路で、制限速度は80km。ビュンビュン自動車がかっ飛んでいきます。
高速道路と並走しているので、自転車道もほぼ直線。起点では消えていた白線も綺麗に引かれてますし、幹線道路周辺だけあって整備状況は良好で気分よく走れます。
武豊北IC[仮称]周辺(2.5km~)
しばらく進むと高架が見えてきます。新設工事中の武豊IC(仮称)で、2024年11月時点のGoogleMap航空写真は工事中で周辺はほぼ更地。自転車道も寸断されていて心配してたのですが、すでにこちらの工事は完了しており通行は問題なし。というわけで、舗装されたばかりのこのあたりは素晴らしい路面状況となっています。
ここまで路面状況が良いとビリー・ボンカーズが20km/hを超えたあたりでギュンギュン唸りを上げ始めます。まるでモーター音。
このあたりは少しコースが入り組んでおり、かつ一部はまだ通行止め区間になっています。ほぼ完成してるように見えるのですがまだ色々あるようです。市街地っぽいところを通り、高架下を抜け南知多道路の西側に。
武豊IC付近を抜け、再度南知多半島道路と並走するようになると、路面は再び従来の状況へ。
年季は入ってますが相変わらず直線中心のいい感じの道路で、今後は右側をバンバン車が通っていきます。寄り道するところも全くないので軽快に流していきます。やがてエリアは武豊市から半田市へ。
開始から5kmほど、自転車道が南知多道路を離れ下り始めると神戸川に差し掛かります。川を渡った後左折し、県道34号半田常滑線沿いへ。
ところどころ自転車道の案内表示があり、道幅も充分。歩行者自体もさほどいないので走行に支障はありませんが、途中で路面が歩道っぽいブロック舗装になったりします。
やがてえんじ色の舗装区間が終わり普通の歩道になりますが、比較的段差の少ないフラットな歩道で、やたら道幅も広いので走りやすさはなかなか良好。
しばらく進むと右折の案内が現れ、県道34号を離れます。随時案内表示が出ているので、素直に従って丘の方に向かって進行、このあたりは軽い上り。
道は半田ぴよログスポーツパーク周辺をぐるっと通過。ぴよログは育児記録アプリで、1年ほど前にネーミングライツを契約して半田運動公園からこの名前に。命名権ビジネスもすっかり一般化しました。施設自体は各地方によくある、グラウンドやテニスコート等を備えた大規模総合運動公園です。
このあたりの道は普通の歩道という感じ。自然多し。
県道265号線は一瞬だけ合流して、すぐ脇道に入って矢勝側方面へ。
進行方向に向かってえらく短い間隔で道路標識が並んでて一瞬何事かと思いますが。田園方向に進んで草多めの矢勝川沿いへ。道幅もちょっと狭めですが、数名ロードレーサーとすれ違ったり抜かれたりしたので結構走ってる人が居る模様。
矢勝川沿いに進んだら自転車道橋が架かっているので対岸へ。同時に、しばらく前に離れた南知多道路改め知多半島道路の高架を潜って交差します。
矢勝川堤の彼岸花(12km~)
知多半島道路を過ぎて少ししたあたりから、花壇などが整備され少し様相が変わります。
近辺は「矢勝川の彼岸花」、「ごんの秋祭り」として300万本の彼岸花が咲き誇る有名スポットとなっています。普段の見頃は9月中旬~下旬頃ですが、この夏は歴史的な猛暑のために彼岸花の開花が全国的に遅延。それでも見頃は10月前半頃だったようで、訪れた頃には旬を過ぎてました。
写真は少し寂しい状況ですが、サイトにあるように全盛期には一面赤い彼岸花が咲き誇ります。すれ違った観光グループのおっちゃんが「全盛期はこんなもんじゃないねんで!」と同行者に力説してました。
また祭りの名前にある通り、このすぐ北にある権現山がかの著名な「ごんぎつね」の舞台であるとされています。ごん、お前だったのか……のごんぎつねです。
彼岸花エリアをすぎると県道246号知多東部線に出て、北側は阿久比町となります。
ここから直進が本来ルートですが未整備区間となるため、公式地図はここを左折して県道264号線の進行が推奨されています。が、今回は本来の想定ルート通り進みます。
道はすぐに阿久比川を越え、川沿いに県道55号名古屋半田線へ。ここからしばらく完全な未整備区間で、路肩も狭くちょっと気を使う道になります。
1.5kmほど走って55号線が阿久比川を渡ろうとする橋を無視して55号線を離れ、次の小さな橋を渡り、引き続き阿久比川沿いを北上。このあたりはルート頭入ってないと普通に55号線沿いに進んでしまうところ、というか500mほど進んでしまってから引き返しました。
55号線ほどではないですが、わりと車が通ります。左手の川向うに名鉄河和線を見つつ、阿久比駅、坂部駅を過ぎると、正面に鉄塔郡と県道46号西尾知多線が見えてきます。
県道46号線に当たったらそのまま並走し西進。卯坂あたりは大きな交差点があり道がうねってるのでルート間違うと大回りさせられたりします。そして再び知多半島道路とコンニチワ&サヨウナラ。
ここから3kmほど県道46号線沿いを進行。知多市へと入っていきます。地図上は整備済み区間となっているのですが、路面はしっかりしているものの案内表示の類は一切なし。
佐布里(そうり)池方面分岐(21km~)
途中、何気ない曲がり角から佐布里池方面へ入ります。ここからは計画区間で未整備なので案内とか一切なし。公式では次のセブンイレブンがある交差点からの進行を推奨していますが、そちらも表示等はないので地図が頼り。
山道っぽい道を進んで、すぐに車道に出るのでV時に折り返す形で進行。
進むと右手に水の生活館の案内表示が見えてきます。進むと道は大きく左手に曲がりますが、曲がらずに直進して佐布里池方面へ。左手は下り坂になってるので、そのまま進んでしまうと戻って来るのはちょっと大変。実際大変でした。佐布里池スルーするならそのまま進んでもルート復帰はできます。
佐布里池は工業用水目的のダムで、周辺は佐布里梅等25種4900本の梅が植樹された、自然の多い憩い空間となっています。犬の散歩とか日課のジョギングとかしてる人が多そうなエリアで、知多半島の観光スポットの一つでもあります。
ルートは佐分利池に架かる橋を渡り、県道256号白沢八幡線沿いに進行。県道沿いの普通の歩道で道はイマイチですが緑の多いなかなか気分のよい空間。七曲公園手前で左折。
下り坂の先、T字路の先から階段を降りて愛知用水方面へ。
愛知用水は岐阜県から愛知県へ続く幹線水路112km、支線水路1012kmという規模の用水で、河川のない知多半島の生活を広く支えています。56名の殉職者を出していることからも難工事であったこと窺えます。
愛知用水並走区間は自転車道整備済み。微かな水音と周辺の緑が良い感じ。路面もしっかりしており問題なし。久々の快走空間です。
県道252号線と合流するところで久々の自転車道案内表記が登場。一度迂回し再び愛知用水との合流を目指します。
ほどなく再び愛知用水と合流、並走再開。市街地になり周辺には民家が立ち並びます。
しばらくすると愛知用水は一気に地下に潜って暗渠となり、自転車道は階段を下って住宅街のど真ん中へ。地下を走る愛知用水の真上を走る形になります。
正面に名鉄河和線を捉えたところで、一旦整備区間が途切れます。途中で市境の表示はなかったのですが、このあたりから東海市に入っています。
大堀緑道(26km~)
案内の先にある名鉄の踏切は、角度は変だわ急坂だわ歩道は無いわでどう越えるか一瞬考えますが、まあどうにかしてやり過ごし。踏切を超えた少し先で再び愛知用水が開渠になるので、並走して進行。すぐに大堀緑道入口が見えます。
大堀緑道は暗渠とした愛知用水の上に設けられた540mの遊歩道で、整備された花壇や水場等が設けられた憩いの空間。ちょっと足休めるのもよろしいかと。
途中、自転車道の表示もありました。
大堀緑道の出口に初めて見るタイプの自転車道表示板があり、おそらく古いもので年季が入ってます。ここからは大半が未整備の計画区間になりますが、結局これが最後に見た自転車道表示に。
大堀緑道を抜けた後は県道252号大府常滑線沿いに進みます。すぐに大府市へ突入し、またまた知多半島道路と交差、今度は高架を通る形で足元に見ながら。県道252号沿いは歩道どころか路側帯自体がほとんど無い区間も多く、ザ・未整備という感じになってます。
県道252号線自体が途中大きく大府方向へ進路を変更し、3.5kmほど。県道23号東浦名古屋線と交差するところで、県道23号沿いの歩行者自転車道へ。
終点
県道23号線を500m走ったところで、終点の愛知県大府市吉田町、半月町一丁目東交差点に到着します。起終点表示や自転車道を示すものは全くなし。
交差点の反対側、すぐ近くにベンチのあるちょっとした広場があります。一応終点周辺の施設扱いでいいのだろうか。また、隣では県道23号線の北部延長工事が行われているようでした。幹線道路としてルートの変更工事をしているようです。
もともと終点には何もなさそう、というのはわかってたのでいいのですが、やっぱし何かしら表示くらいはしておいてほしい気がします。取り急ぎ、大府駅まで走り輪行で次のポイントへ移動です。
知多半島サイクリングロード、以上で終了!
知多半島サイクリングロードのまとめ
整備済み区間の路面状況は良好なのですが、大凡1/3程度が未整備区間となっています。代替ルートを通った場合は歩行者自転車道として概ね整備済みにはなりますが、あくまで歩道。また、その場合でも県道252号沿いの3kmほどはやはり未整備区間です。案内標識は中間10km及び終盤5kmほどにおいて、整備済み区間でも一切登場しないので地図必須。地図では詳細に案内されてるのですが。
幹線道路沿いを通過することも多いため、ちょくちょくコンビニや自販機には出会いますが、最初5kmほどの南知多道路沿いは基本何もありません。地図上のトイレは3箇所ですが、同上でコンビニ等があります。
2月~3月にかけては4800本の梅が花咲く佐布里池梅祭り、9月~10月にかけては200万本の彼岸花が咲き誇るごんの秋祭りが見所。ただ人出もそこそこあるようなので、花見がある自転車道等と同様該当区間は走るには向かなくなるかと。地元の方は半田運動公園の利用などもありそうです。
南知多道路沿い、矢勝川沿い、愛知用水沿いといった整備済み区間はなかなかいい感じで走れるのですが、そもそもで未整備区間が多すぎるのが残念。特に大府市側。佐布里池周辺は気分のよいエリアですし、矢勝川堤の彼岸花等見所になるポイントもあるので、是非地図や情報展開だけでなく実際の道の整備を期待したいところ。