直接足の力を受けるパーツであり剛性や回転性能が非常に重要で、重量への影響もそこそこあります。特に折りたたみ自転車の場合は本体幅から飛び出すパーツであるため、収納や持ち運びの上でも非常に重要な意味合いを持ちます。
ペダルの基本
気にするところはいくつかありますが「折りたたみ時のサイズ」「踏み面の大きさ」「重量」「回転の良さ」あたりがポイントです。尚、価格は考えないものとする。
ペダルの種類とスペック
まずスポーツバイクのペダルといえば「フラットペダル(普通にイメージする自転車のペダル)」と「ビンディングペダル(ロードレーサー等で専用の靴で踏むペダル)」がありますが、おりたたみ自転車でビンディング履く人は基本変態なので普通にフラットペダルを選択するものとします。
そのうえでおりたたみ自転車の場合、ペダル自体の機構として「折りたたみ式」か「取り外し式」の選択があります。当然普通のペダルも使えますが、折りたたみ時に超邪魔で持ち味を殺すのでここでは選択肢から外す方向で。
「折りたたみ式」はワンタッチでペダルを折りたためるようにしたもの。普段見ている通り自転車のペダルは本体から横に10cmほど飛び出しており、折りたたみ時は非常に邪魔なわけですが、飛び出し幅を半分近くまで小さくすることができます。小さくなるとはいえ飛び出し幅自体はあるのと、機構上重くなりがちなのが欠点。
「取り外し式」はアダプターオプションを取り付けることでペダル自体を取り外せるようにしたもので、取り外すと飛び出し幅をアダプター部の1~2cmほどまで小さくすることが出来ます。自転車間の使い回しができるようになるというメリットも大きい。
メーカーなどの選択肢
基本的に選択肢はMKS(三ヶ島製作所)一択。ロード用のビンディングペダルであれば他にも選択肢がありますが、折りたたみ自転車用となると競合すら希少種です。一応廉価なwellgo等ありますが、回転性能が全然違うのでお勧めしません。MKSも公式価格は随分お高くなりましたが、実売価格は半額とかで見つかることもありますし。
MKSのペダル種類としては固定式を除き「FOLDING(折りたたみ式)」「Ezy(取り外し式)」「Ezy Superior(ワンタッチ取り外し式)」の3種類。EzyとEzy Superiorには互換性がありませんので、使い回す場合はどちらかに揃える必要があります。
以下、いくつかピックアップ。
FD-7はワンタッチで折り畳めるペダルで、9cmの出っ張りが5cmくらいになるイメージ。重量はあるので、輪行はしないけど収納スペースはできる限り小さくしたい、といった場合にお勧めです。FD-7 WIDEはさらに踏み面を大きくしたもので、やはり日常使い向きです。
名称 | 重量 | 価格 | ベアリング | 備考 |
---|---|---|---|---|
UX-D | 300g | \5,544 | ボール | 安価軽量樹脂 |
UX-D One Side | 275g | \3,883 | ボール | 右だけEzy |
Compact | 303g | \14,300 | シールドブッシュ | 軽量小型 |
CYGMA | 310g | \10,054 | シールドブッシュ | トゥクリップ可 |
Ezyはペダル着脱の際にワンタッチ操作に加えて樹脂リングストッパーの着脱が必要です。結構固くて、外すときに油断すると飛んでいっちゃうのが難点。機構上Ezy Superiorに比べ薄いペダルが採用できるため軽量なのがウリ。
UX-Dはとにかく安くて軽いのが魅力ですが、樹脂製のため金属製と比べると力が逃げる感じがありロングライドにはちょっと頼りない。あと、踏みそこねると先が割れたりします、というか割れました。One Sideは折りたたんだ時に出っ張る右側だけをEzyにしたもので、更なる安さと軽さが魅力。
CompactはEzyの金属ペダルでは最も軽く、剛性も十分で個人的にも愛用のペダルです。ただ踏み面が小さいので、若干足との相性はあるかもしれません。
CYGMAはCompactで頼りない場合にトゥクリップを使いたい人用。個人的には使ったことがないです。色がシルバーしか無いというのはスタイリングとしては気になるところ。
名称 | 重量 | 価格 | ||
---|---|---|---|---|
TOURING-LITE | 375g | \12,012 | 高回転ボール | トゥクリップ可 |
SYLVAN STREAM NEXT | 373g | \13,750 | トリプルシールド | トゥクリップ可 |
Ezy SuperiorはEzyから更に樹脂リングストッパー無しでもワンタッチで着脱できるようになった製品です。Ezyとの互換は無いので片寄せ必須。個人的には使ったことがないですが、アダプター干渉の関係上割とサイズが大きかったり高機能なものが多いです。
SYLVANはよく回ることに定評があるので、最初の1台で互換性を気にする必要がないなら有力な選択肢。Ezyのストッパーリング、数秒の作業とはいえ精神的に結構面倒くさいので。
UX-Dのような安価な製品がないため、複数台で1個のハイスペックペダルを使い回す運用は難しい。とはいえ自転車は一人であれば同時に乗るわけではないので、4,400円のアダプターのみを購入し、全台で使い回すことは可能です。
K3の場合
標準のペダルは500g超とやたら重い上に全く回らないため、wellgoとかでいいので交換推奨とされます。短距離街乗りであればそのままでも別段問題ないですが、ある程度のロングライドや輪行を考えるなら交換したいところ。
足引っ掛けない程度に小さくなればよく、運用を変えずに距離だけ伸ばしたいならFD-7がベター。
列車輪行等を考えるなら折りたたみペダルはかなり邪魔なので、Compact EzyかSYLVAN STREAM NEXT Ezy Superiorあたりをチョイスしたいところです。UX-Dでもいいですが距離を延ばすならちょっと頼りない。個人的には3台で使い回すため輪行時はCompact、普段はUX-Dにしています。
K9Xの場合
最初からUX-D One Side Ezyがインストールされており、特に手を入れる必要がありません。
ただ、散々言ってる通りロングライドや坂を考えるとUX-Dは少し心許ない。片側だけEzyでペダル交換出来ないので、Compact Ezy、SYLVAN STREAM NEXT Ezy Superior等に交換したいところ。
自分は元々持っていたCompact Ezyを使いたかったので、Amazonで安売り(2000円台)してたUX-Dを買って左側だけ交換しました。
まとめ
個人的には共通でMKS Compact Ezyをお勧めしますが、MKS SYLVAN STREAM NEXT Ezy Superior も大変に魅力的。踏み面がやや小さいのでそのあたりは実際の足と相談ですし、トゥクリップ等も検討です。
取り外してしまうと意外と本体重量として意識する面はないので、そこまで重量にシビアになる必要はないかもしれません。また、剛性面もUX-Dを普段街乗りで使ってる分にはなんら困りませんので、用途に併せて選びましょう。
色がシルバーしかないペダルなんかもあるので、見た目まで入ると完全に好みですね。足のサイズや履く靴との相性も意外とあるので、店舗で試乗とか出来るなら試してみるのがベターです。