自転車に取り付けるバッグは星の数ほど製品があり、その中に「トップチューブバッグ」というカテゴリがあります。K3/K9Xのトップチューブは非常に太い為ベルクロタイプは厳しいのですが、ダボ穴に固定するボルトオンタイプが展開されています。どうもロードレーサーでトップチューブにダボ穴が開くようになったのがここ10年くらいとからしく、近年随分種類が増えました。
トップチューブバッグあれこれ
基本ベルクロタイプは厳しい(巻けるやつは見たこと無い)のでボルトオン可能なタイプから選択することになります。走行中に開けることを考える必要はあまりないですし、バッグからケーブル伸ばして給電するような運用も若干厳しい(出来なくはないですが撓むと……)ので、ポイントにはなりにくいです。
結果防水性と容量が気になるところですが、サイズはきちんとした直方体ではなく、最大値の寸法だったりするので、表記を素直に信じてよいかは大変怪しいところ。特に容量。実際見てみないとわからない部分もあるのですが、通販のみで店頭にあまり置いてないような製品もあるので人柱探すことになりがちです。
ブランド / 製品名 | サイズ(L/W/H) | 容量 | 防水 |
---|---|---|---|
cycledesign エヴァフレームバッグ | 215×55×80mm | 1L | 非対応 |
PROFILE DESIGN TT E-PACK MEDIUM | 240×40×90mm | 0.53L | 防滴ジッパー |
SHIMANO PRO DISCOVERトップチューブバッグ | 200×70×100mm | 0.7L | 耐水仕様 |
TOPEAK ファストフュエル バッグ ボルトオン | 187×40×82mm | 0.5L | 非対応 |
APIDURA Racing Bolt-On Top Tube Pack | 235×45×100mm | 1L | 防水仕様 |
APIDURA Expedition Bolt-On Top Tube Pack | 235×45×100mm | 1L | 防水仕様 |
BBB SEAL TANK | 210×75×51mm | 0.55L | 防水仕様 |
ORUCASE Top Tube Bag | 205×50×110mm | 1L | 素材防水 |
cycledesign(サイクルデザイン) エヴァフレームバッグ
cycledesign(サイクルデザイン)は自転車王国台湾のブランドだそうで、ライトウェイプロダクツジャパン株式会社が国内販売を仕切っている様子。最初に購入したトップチューブバッグですが、K3導入当時はそもそもボルトオンタイプがこれくらいしか見当たりませんでした。
容量は結構大きい方。硬質な素材であるため型崩れもしにくく結構色々入りますし、内側にポケットがあったり携帯ポンプをホールドできるバンドが備えてあったり。日に焼けて色落ちしたりはしましたが、強度の方は数年使っても特に問題無し。
外装の素材的に多少は弾くでしょうけれど、耐水・防水については記載がありません。
最大の問題は工作精度の問題か底面の取付穴がナナメになっており(購入レビュー等でも同様の内容を確認)、取り付け時点で傾きます。その上底面の緩さに加え高さもあるので、結果かなり揺れます。これがまっすぐになっていれば、わりとおすすめできるのですが、足に当たったり結構気になる……。
PROFILE DESIGN(プロファイルデザイン) TT E-PACK MEDIUM
PROFILE DESIGN(プロファイルデザイン)はトライアスロン・バーで全米No.1の実績のあるブランドでトライアスロン方面中心に自転車パーツを販売しており、株式会社カワシマサイクルサプライが国内販売を行っているようです。
ダブルジッパーで開閉位置が調節でき、外部にもちょっとしたポケットが付いているなど収納も多く機能性はなかなか。エヴァフレームバッグに比べて長さがあるので長物は入りやすいのですが、高さは最大値表記らしく明らか低い上に、幅もスリムなので容量はだいぶ控えめ。外装はソフトなタイプで、スタイリッシュなのが売りです。
ジッパーは防滴仕様かつ圧着シームなので多少の雨は大丈夫だと思いますが、あまり本格的に謳ってはいませんので信頼はしにくい。
欠点として底面の強度が弱く(厚紙かなんか入ってる模様)、力をかけて歪んでしまうとフニャってしまい戻りません。交換する方法もなさそうで、耐久性にはちょっと疑問。あと、長さがあるので見ての通り反対向けても若干ヒンジに干渉します。
SHIMANO PRO(シマノプロ) DISCOVERトップチューブバッグ
SHIMANO(シマノ)は言わずと知れた自転車界のIntel(まあIntelちょっと傾いてますが)で、オリジナルブランドのPRO(プロ)としてメインコンポーネント以外の製品等を展開しています。こちらはそのSHIMANOPROで展開されるDISCOVERブランドのトプチューブバッグです。
ジッパーに指を引っ掛けて開ける大きめの持ち手がついてる等気の利いた作り。片側外面にバンジーコードがついており、小物を挟んでおけるのがカタログスペック以上に収納増える感じで意外と重宝します。全体的に変に細くなってたりもしないので、記載より収容能力が大きく感じます、というかエヴァフレームバッグの記載が怪しいこともあり多分同等。
強度も安定もしておりなかなかいい感じ。本来はハンドルポストに巻きつけるベルクロは取り外せないのですが、QRケージマウント併用であれば自転車本体から外した時に持ち手的に使えるのがなかなか。何よりシマノという名前が無駄に安心を与えます。K3やK9Xでは使いにくいですがケーブル口もあり。
高い耐水性を謳っているのも◎。
欠点としては最初ベルクロを取り外すのがちょっと大変でした。ダボ穴取付時に若干キツさがあるので、少しボルト穴等の寸が怪しいかもしれません(上の写真でも少し詰まってるのが伝わるかも)。
ちなみに、外したベルクロはハンドルバーにバッグ固定するのに転用してます。その他、色がグレー系なのでフレームカラー次第ではちょっと浮くケースがありそうなのと、K9Xでも本来の方向に取り付けると若干ヒンジに干渉します。
K9Xのシルバーとは割と色合いもマッチするので、現時点総じてお気に入り。
TOPEAK(トピーク) ファストフュエル バッグ ボルトオン
TOPEAK(トピーク)は台湾のパーツメーカーで使い勝手のいいオプションを多数取り扱っており、株式会社マルイが国内総輸入代理店となっています。こちらのトップチューブバッグはその名の通りロードレーサーでのパワーバーなどの補給を想定したバッグで、非常にスマートな作り。
見ての通りで容量が少なく物足りないため、未導入です。ボトル穴の形状等から、取り付けは非常にしやすそうなんですけれども。
APIDURA(アピデュラ) Racing/Expedition Bolt-On Top Tube Pack
APIDURA(アピデュラ)はイギリス生まれのバイクパックブランドで、バイクパッキングの定番であったラックを用いない新しいコンセプトの高機能なバッグを提案しています。こちらの2種のバッグも例に漏れず大きな容量、ケーブルポート、高い防水性等非常に高機能を謳います。Racingの方はマグネットによる跳ね上げ式カバーで一発で中身にアクセス出来るので大変にスマート。
問題は比較対象として上げた他のバッグが4,000円~5,000円のところ、こちらは8,000円以上、為替の関係で1万円近くしたりも。DISCOVERトップチューブバッグがなかなか良い出来なので、悩むところではあります。マグネットの跳ね上げカバー等の利便性は惹かれます。
BBB(ビービービー) SEAL TANK
BBB(ビービービー)はオランダ生まれのサイクリングパーツブランドで、cycledesign同様ライトウェイプロダクツジャパン株式会社が国内販売を仕切っている様子。このSEAL TANKはその名の通り高い防水性を売りにしています。
容量少なめですが、非常にスマートな形状をしているので用途に合うなら。
ORUCASE(オルケース) Top Tube Bag
ORUCASE(オルケース)は2012年にプロロードレーサーにより創業されたアメリカ企業で、自転車バッグやケースなどをリリースしています。最近リニューアルされたこちらのトップチューブバッグはマグネットジッパーによる力を必要としない開閉が最大の特徴。
カラーバリエーションもブラックに加えてブラウン系とブルー系があり、ビビッドカラーが多いK3には色合い次第で非常に映えそうなのはポイントが高い。容量も大きく、ケーブルホールもあるなど基本性能も十分。
素材は防水ですが、ジッパーの構造上多分雨には弱い気がします。ダボ穴取り付け時には底面の穴は自分で開けなきゃいけないのと、1万円に届くお値段はネック。素材系やカラーものは実物を見ると全然違うことがよくあるので、できれば展示会等で一度現物確認したいところ。
また、最大の特徴であるマグネットジッパーも、走行中アクセスを考慮しないK3/K9Xだとあまりプラスにならないのはちょい痛い。
トップチューブバッグまとめ
個人的に実用しているところも含めてSHIMANO PRO DISCOVERトップチューブバッグがオススメにはなります。中に入ってるものを強度的にガードしたいなら外装がハードなcycledesignエヴァフレームバッグも悪くない。APIDURAはちょっとお高いですがスペック的にはSHIMANOと同等程度と言えそう。
何を入れてどのような運用をするかで選択肢は変わりますので、最終個人の好みにはなります。容量が大きいのが正義かというとそうでもなく、入れたいものが収まればいいのです。デカいとそれはそれでぶつけたり邪魔になったりしますし。
選択肢はどんどん増えているようなので、ピンと来たのを選びましょう。