K3、比企自転車道を往く

大規模自転車道
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比企自転車道は、埼玉県比企郡川島町から東松山市大字岩殿までを結ぶ12.8kmの大規模自転車道です。荒川から分岐し埼玉県こども動物自然公園を目指す、比較的コンパクトかつ整備された自転車道となっています。2024年8月10日走破。

比企自転車道の基本情報

正式名称は埼玉県道158号川島こども動物自然公園自転車道線
通称比企自転車道ですが道中表記の大半は川島こども動物自然公園自転車道
計画延長12.8km、平成2年(1990年)整備開始、平成28年(2016年)整備完了。

起点埼玉県比企郡川島町大字松永(松永橋西側)
終点埼玉県東松山市大字岩殿(埼玉県こども動物自然公園前)
大規模自転車道とは?

起点最寄りはJR高崎線北本駅でおおよそ5.8kmですが性質上荒川自転車道からのアクセスが基本。終点最寄りは東武鉄道東上本線高坂駅から2.5km。

埼玉県比企郡川島町大字松永の松永橋西側を起点とし、市野川、長楽用水沿いを進行。早俣橋で都幾川を渡った後は、県道212号線沿い、県道248号線沿いと進み、九十九川沿いを遡って終点の埼玉県東松山市大字岩殿にある埼玉県こども動物自然公園前へ至ります。

起点にて荒川自転車道と接続します。

比企転車道に至るまで

時はお盆休み。恒例のお台場オタク祭りに合わせての関東大規模自転車道遠征です。今回は冬に走った荒川自転車道から分岐する自転車道を攻めることにして、始発新幹線で関東に乗り込みます。東京駅から1時間少々、東武東上線高坂駅へ。旅程の都合上自転車をコインロッカーに放り込む必要があるため、盆暮れの関東遠征時の自転車はK3固定です(やっぱりロッカー入らなかった)。

今日のスタート地点高坂駅

目的は比企自転車道、ルートの関係で終点方面からスタート。尚この日も最高気温は36℃。ここ数年暑すぎじゃないですかね……。

セットアップと駅前コンビニで支度を済ませ、3km先の終点へ移動。

比企自転車道を走る

比企自転車道終点は東松山市大字岩殿にある埼玉県こども動物自然公園(SCZOO)前になります。80ha程の広大な敷地に珍しいクオッカワラビーやコアラ等200種の動物が飼育されている埼玉県内最大の動物園にクロスカントリー等も備える一大施設となっています。

ちなみにGooglemapで見ると周辺はゴルフコースだらけ。

奥の看板は地元のサイクリングコース案内板

最新の埼玉県の路線図だと実際の終点はすぐ近くのこども動物自然公園交差点から。起点表示らしきものは見当たらず。

自転車道を表す路面舗装がスタート

100mほど進むとすぐに川島こども動物自然公園自転車道の案内が登場。

複数の案内が立ち並ぶ専用道入口

ここから九十九川沿いに専用道区間がスタート。横手に小川と緑を見ながらの道程、暑さも(気持ちだけ)和らぎ路面状況も大変良好。

この真夏日には水音と緑の陰が大変ありがたし

市街地を突っ切る自転車道のため、結構な頻度で一般道と交差します。横断歩道などが設定されていないところも多く、あくまで生活道路の延長感。一方で車止めは自動車の進入を絶対に許さないガッツリ金属製。

イラスト入りの「こども」を意識した表示

郊外の住宅地といった感の穏やかな道が続きます。車道の車を除いて人通りも少なめ。

開始数百m地点のおだやかな風景

1kmほど進んだところで第一案内板を発見。

道路脇に静かに佇む案内板

荒川自転車道が旧路線名で記載されているので、平成13年(2001年)以前から立っているのは確実。北向きに立ってるので退色や痛みが緩やか。

味のあるイラスト入り

埼玉県のサイトも比企自転車道表記ですが、自転車道においては一貫して「川島こども動物自然公園自転車道」となっています。

関越自動車道はさすがに横断出来ないのでアンダーパスで通過。

関越自動車道のアンダーパス、ひんやりするので助かる

関越自動車道を越えるとアスファルトがまっさらになり更に路面状況が良好に。護岸の工法等を見る限りかなり新しそう。

明らかいい感じの路面状況

すぐに先ほど乗ってきた東武東上線をアンダーパスで通過。が、このあたりからちょっと周囲の様子が怪しくなってきます。

東武東上線を潜るものの緑の面積が……
左右から緑が迫ってくる
足元もこんな感じに

なかなかの緑の侵食度合い。あまりの猛暑で刈払いも滞っているのか……。対岸側にも道路がありそちら通ればいいのであんまり優先順位が高くないのかもしれませんが。緑ゾーンを抜けたところで開始から3kmほど、九十九川沿いを離れて県道248号線へ乗り換えます。

案内板を目印に正面の県道248号線へ乗り換え
歩道に自転車道表示

歩行者自転車道を進み1kmほど、高坂神社交差点で右折し県道158号線へ乗り換え。

交差点に自転車道の進行方向表示も有り
こちらも歩行者自転車道に自転車道表示有り

1.5kmほど進み、都幾川に架かる早俣橋を渡り、東松山市から比企郡川島町入り。橋をわたったところですぐに折り返し堤防へ上がります。

早俣橋にて市町境を通過
溶かしたところで折り返し

ここではまた先ほどとは異なる案内板が登場。

「あー!!」じゃないが
丸型表示の案内板

内容自体は先程の案内板と一緒ですが、楕円形の案内板というのはちょっと珍しいかも。堤防に上がったら都幾川を遡上する形で右手に進むと見慣れた車止めが登場。

尚、反対側に行くと明らかに通るの難儀しそうな様子になってますが、何故か自分は無理やり推し通り天神橋にぶちあたって行き止まりになるまで往復5kmほど無駄に走りました。普通に地図見るか反対側確認しようぜ……。

見慣れた共通仕様の車止め
反対側は明らかルートではなく、2.5km先で行き止まり

都幾川沿いの堤防はすぐに降りることになり、今度は長楽用水沿いに住宅街の中を走ります。

緑が減り住宅街の間を進行

住宅街の中なので普通に水路を越える一般道との交差が多いです。交通量は少ないので越えるのに苦労はしませんが、スピード出すとかありえない感じではあり。通常の住宅街から、徐々に並木や緑が増える感じに。

初めて見る大きな車止めに自転車の意匠
交通量の多い国道254号線は右手に折れてアンダーパスを通過

のんびり4kmほど進んだところ、潮音寺を過ぎた梅の木地区で、荒川自転車道でも見た川島の案内板と、自転車道に関する注意事項の案内板が登場。

梅の木地区の案内板
未整備区間の案内板

そっかー、未整備なら仕方ないなー、とはなりません。気にせずそのまま進行します。

鬱蒼とし過ぎて普通に未整備を疑いますが
バシバシ植物は体に当たりますが普通に通過

「バッチリ整備されてる」とは口が避けても言えませんが、特に問題なく市野川に架かる市野川大橋まで抜けます。振り返ると完全に植物に埋まってるようにしか見えませんが、案内板なども普通に設置されてます。

「除草作業」の看板は道中でも度々見かけており日程的に1回目が実施済みのはずなのですが、猛暑ゆえにキャンセルでもされたのか実施された形跡がなく。秋にはスッキリしているといいんですが。googlemapの過去日付見る限り3年前くらいは普通に刈払いされてますし。

振り返ると草に埋まってて進めるように全然見えませんが

そして進行方向の市野川沿いを見てみると。

なんて素晴らしい道!

超幅広かつフラットな路面の道路が広がっております。これが未整備とか御冗談を……と言いたくなりますが、Googlemapの過去データを見るとなんとなく経緯がわかります。2012年8月時点では完全に未舗装・未整備の状況で、2014年2月には工事中。ここから先2.6kmの舗装が完了したのが2016年8月でそれ以降は舗装路が通っているものの、2022年11月には堤防強化のため天端舗装工事を実施。遅くとも2023年3月以降には、大きく道幅を広げた現在の姿となっており、その後車止めを追加。

手前の迂回指示看板は直近工事の際に設置されたものがまだ撤去されていないのだと思われますが、荒れ放題になっている看板付近のゾーンにも手をいれる計画があるのかもしれません。いずれにしても近いうちにちゃんと整備されるのではないかと。

ということでめっちゃ幅広い道を(酷暑の中)気分良く進みますが、2km少々進んだところで起点の松永橋側、荒川自転車道との合流地点に到着します。

起点、松永橋西の荒川自転車道分岐点
堤防上川の分岐点

これにて比企自転車道走破。引き続き荒川自転車道を進み、次なる自転車道へと向かいます。

比企自転車道のまとめ

整備状況はほぼ完璧で、大半の専用区間及び歩道区間共に路面状況は上場。案内板は古いアバウトなものしかありませんが、埼玉県のサイトに詳細ルートPDFが掲示されてますし、見落としさえしなければ迷うようなところもありません。総じてしっかり整備されています。そもそもで大規模自転車道基準の延長20kmは大幅に下回ってますが。

休憩所やベンチの類は皆無で途中に折本山公園があるくらいですが、総距離が短い上、住宅街の中を走るのでちょっと外れればコンビニ等は何箇所かあります。見所は終点のこども自然動物公園以外に乏しいですが、荒川自転車道の支線的位置づけにも見えますし「都心近くのファミリーがサイクリングでこども動物自然公園に向かう」というコンセプトかなと。

路線名や表示内容に加え交差の多さもロード向きではなく、家族連れやこども会的な団体がピクニック気分で走るのが一番しっくりくる気がします。

市野川橋付近の迂回表示や道中下草が伸び切ってしまってるところはありますが、そのうちちゃんとメンテされるでしょうし、距離からもポタリングにはなかなか良い道ではないかと。

参考にした先人の足跡
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