北上花巻温泉自転車道は、岩手県北上市立花から花巻市湯本までを結ぶ26.2kmの大規模自転車道です。桜の名所から二刀流の英雄の母校前を通り花巻温泉を目指しますが、途中の街中ルートがややテクニカル。2023年4月23日走破。
北上花巻温泉自転車道の基本情報
正式名称は岩手県道501号北上花巻温泉自転車道線。
通称北上花巻温泉自転車道または北上花巻温泉サイクリングロード。
昭和50年(1975年)全線26.2kmが完成済み。
起点 | 岩手県北上市立花(北上展勝地) |
終点 | 岩手県花巻市湯本(花巻警察署花巻温泉駐在所前) |
起点はJR北上駅から2.5km、東北新幹線停車駅なので東京駅から直通3時間。終点はJR花巻空港駅から6km。当然、空路であれば最寄りは花巻空港で北上方面にシャトルバスも出ていますが「大荷物は後部トランクに預けられる」と記載があるものの輪行可能かどうかは未確認。
岩手県北上市立花の北上展勝地を起点とし、北上川左岸を遡る形で北上。花巻市中心部到達後市街地を抜け、一直線に北北東へ向かい、終点岩手県花巻市湯本の花巻温泉へ至ります。
北上花巻温泉自転車道を走る
盛岡矢巾自転車道に続き、K3で往く大規模自転車道みちのく岩手旅情編2本目。矢巾駅からJRで30分ちょい。北上だよー。
前走に1時間ほど遅れが出たせいで既に時間は夕方4時。6時すぎには日が暮れる上、北東に向かうルートであるにも関わらず風は風6mとかなりの逆風、しかも遠足前小学生症候群で睡眠時間は2時間ほどとなかなかのハードコンディションです。
早速自転車をセットアップし、スタート地点の北上展勝地に。東北指折りの桜の名所で、駅にもさくらまつり案内表示が多数。現地でもまだ露店等が出ていましたが、今回は既に散ってしまっております。
起点は展勝地の入り口、サトウハチロー記念館前にありました。前走でも見た頭上の青い案内看板に、道路専有許可証もしっかり。起点はレンガ舗装ですがすぐ専用道に入り、一級河川北上川左岸を遡る形で走り始めます。
メジャーな公園周辺だけあって路面状況は良好。残念ながら桜は散ってしまっていますが、シーズンであればさぞ美しいことでありましょう。それ以前に人多すぎで走れないかもしれないですけど。尚、本自転車道の一部区間は冬期は積雪のため閉鎖されるようです。実際、雪解け跡っぽい荒れ方をしている箇所がちらほらと。
自転車道を走っていると、道端に地元の民話を綴った案内板が定期的に現れます。全部逐一読んでるとめっちゃ足が止まるので、全部は読んでないですが。記載された日付が平成元年と30以上前と古いにも関わらず、文字も消えていません。
10kmばかり進んだところで休憩所に到着。こちらに自転車道の案内図が立っていました。
おそらく最初から立っている案内図で、だとすると50年近いはずなのですがやたら状態がよく見えます。どっかで追加されたのかな。ちなみに、自転車道を走っている間人っ子一人すれ違いもしませんでした。遠方の歩行者すら殆ど見かけない。
このあたりは自転車道沿いに桜などが植えられており、随分種類がバラエティに富んでるなと思ったら、有志寄贈の自転車道桜並木なのだそうで。平成20年からなので、10数年かけて増えてってることに。このあたりは更木町のオフィシャルサイトに詳しいです。
道はいよいよ花巻市へ。夕暮れも迫ってきて焦りも募ります。日没後の地方自転車道とか絶対走るの無理。
休憩所から6kmほど、朝日大橋を渡り花巻市街へ入ります。
花巻市街地部分ですが、案内標識が不足気味な箇所があり、コース知らないと普通に間違います。川沿いはまだいいのですが、問題は市街中心部。下の写真は自転車道を抜けて県道12号線に出たところなのですが。
いや横断歩道すらないんですが?という感じ。しかもここはチェーンで通路が封鎖されていて通れなかったため迂回することに。なにせ50年近く前に完成している道なので、通した後に車道の方が拡張されたとかだろうか……。車道を斜めに突っ切る愉快なルートになっていますが、航空写真で見ると「本来のルート」が見えてきます。しかもこの辺り案内が乏しい。
花巻駅前を通過すると、北北西の花巻温泉に向けて一直線。ルートも市街地にも関わらず直線部分が長く、どうなってんだと思いますが。
そしてある意味この自転車道一番の聖地の前を通過します。
いやマジで校門前が自転車道なので吃驚するんですけれども。寄り道とか何もなしで眼の前通過します。折しも一ヶ月前にWBCで日本が優勝したばかりということで、MVPを祝福する垂れ幕が掛かっていました。
周囲は野球場やテニスコートに大規模な陸上用トラックなど運動公園やグラウンドが広がっており、スポーツエリート校なのも納得。ここを抜けると後はひたすら田園風景を横目に花巻温泉を目指します。
途中から花巻温泉に向かう県道297号線と並走し、花巻温泉街入り口に到着したところが終点です。時間的にはギリギリセーフ。終点の案内板も完備で大変よろしいですね。
一旦自転車道は終了で、以後は余談。
この日の宿泊は花巻温泉からさらに2kmほど奥に入ったところにある台温泉の温泉宿。ほぼ日が暮れた中、街灯もロクにない道を進みます。
超焦りつつ、ギリギリ完全に暗くなる前に到着です。
翌日、折返しで花巻駅を目指します。
ということで、北上花巻温泉自転車道完走です。
北上花巻温泉自転車道のまとめ
岩手県で最も古い大規模自転車道で全国でも古株の部類ですが、早々に完成しているだけあって専用道区間が長く自転車道としてはかなりしっかりしている印象。特に前半の北上川沿いと後半の花巻駅から花巻温泉に向かう区間は多少の荒れはありつつもちゃんと自転車道してて良いです。
ただ、中盤花巻市街のコース取りがだいぶ特殊。航空社員を見ると明らかに自転車道のハズのところに建物が立ってたり、独立した通行不能の専用道があったり、横断歩道もナシに車道貫通させられたり、常識的に考えて後から分断されてないとこんなコースにならんやろ……というところがちらほら。都市開発の影響か、当初から土地で揉めてたかどちらかでしょう。
標識は盛岡矢巾自転車道と共通の青看板にコース看板等、随所でしっかり設置されているものの、前述の花巻市街地はやはり分断されたのかだいぶ怪しいところがあります。
起点は東北有数の桜の名所であり、中盤には二刀流の聖地があり、終点では花巻温泉でしっかり汗を流せると、なかなか良いプランで走れる自転車道だと思います。道中にも民話説明板があったりちょいちょい細かな見所がありますし。
是非、温泉目当てに桜の季節に出発してみたい自転車道ですね。