K3、しまなみ海道サイクリングロード(尾道側)を往く

大規模自転車道

しまなみ海道サイクリングロード(尾道側)は、尾道市向島から生口島多々羅大橋までを結ぶ、およそ38.7km(計画)の大規模自転車道です。ナショナルサイクルルートに指定され国際的にも名を知られた、説明不要のキング・オブ・大規模自転車道。2022年5月9日走破。

しまなみ海道サイクリングロード(尾道側)の基本情報

正式名称は広島県道466号向島因島瀬戸田自転車道線
通称しまなみ海道サイクリングロードまたは単にしまなみ海道
しまなみ海道としての基本的な情報は愛媛県道325号今治大三島自転車道線と同様。計画延長は38.7kmですが、現在の整備状況は28.2km以降情報が見当たりませんでした。尚、区間の大半を他の路線と重用するため実際の延長は8km程度で、しかもその大半が橋へ至るスロープになります。

起点尾道市向島町津部田(国道317号交点)
終点尾道市瀬戸田町垂水・広島・愛媛県境(多々羅大橋中間点)
大規模自転車道とは?

起点は島の上、架かっている橋は自転車が渡りにくく基本推奨されているのが船でのアクセスになります。終点は島の上かつしまなみ海道中間点ですので考えるだけ無駄なのは愛媛側同様。遠方からアクセスする場合は山陽新幹線新尾道駅が港まで3kmほどと近いのですが停まるのがひかりとこだまのみ、山陽新幹線広島駅または広島空港からJR山陽本線尾道駅がメジャー。

広島県尾道市向島の向島大橋近くを起点として、因島大橋を渡って因島、生口橋を渡って生口島を経由し、多々羅大橋上の県境終点に至ります。

多々羅大橋上で愛媛県側のしまなみ海道と接続します。

しまなみ海道サイクリングロード(尾道側)を走る

記事としては今治側の続きです。ルート的には終点から起点に向けて走る形に。

生口島

サイクリストの聖地に別れを告げ、尾道目指していざ自転車道。長さ1480m、世界指折りの中央支間長を誇る斜張橋である多々羅大橋を渡り、次の生口島を目指します。実に見た目がスマートで美しい橋なだけでなく、主塔の真下では設置されているバチや手を叩くと音が主塔の間を反響しながら登っていく「鳴き龍」という現象を体験出来ます。

主塔を眺めながら多々羅大橋を渡る
視界を遮るものが少なく眺望も抜群

橋を渡ったら例によってスロープを下り生口島へ。広島県は国内のレモン生産の半数以上を占めていますが、その多くがこの生口島で生産されており、その生産量は国内生産の3割近く。また、美術に力を入れている島でもあります。

怪獣レモンのオブジェがお出迎え
多々羅大橋を振り返り

スロープを降りると例によって国道317号線に合流し、海岸沿いを進んでいきます。途中県道81号線に切り替わり、生口島での走行距離は海岸沿い中心に大凡16kmほど。自転車道で自動車道沿いというと微妙なことが多いですが、こちらは非常に見通しがよく水面が近い海岸線沿いの道で、地上ルートでは指折りに爽快な走行ポイント。瀬戸田サンセットビーチを過ぎると「島フォルニアロード」という西海岸をイメージしたヤシの木が並ぶゾーンがあるなど、大変気分良く走れます。

海が直ぐ側の走行ルート
ヤシの木が並ぶ島フォルニアロード
生口島の案内表示板

8kmほど走ったところにあるのが、しまなみ海道でも指折りに有名なジェラート専門店「ドルチェ瀬戸田本店」。道路側の阪大側には海を眺めるベンチが設置されてたりします。肝心のジェラートで鉄板は「伯方の塩と瀬戸田のレモン」でしょう、ということでいただいて軽く休憩。

有名ジェラート店、ドルチェ瀬戸田本店

生口島も終盤戦ですがちょっと側道が狭くなる等微妙なところもありつつ。

生口橋と次の因島を臨む

生口橋は完成当時世界最長の斜張橋だったものの11日後に抜かれたという、ちょっと残念なエピソードがあります。とはいえ施工中からわかってはいたことでしょうけれども。全体的に欄干が低く風が強い日はちょっとドキドキしそうです。

生口橋上の眺望

因島

因島は走行距離大凡13kmほど。最初は県道366号線沿いに海岸沿いを走りますが、島の中央寄りを通りますが、ちょっと景色が微妙。外周側の方がHAKKOパーク等の見どころや、海も近いため気分良いかも。ただ、因島は全体的に状況にイマイチ感があります。

今回は殆ど寄らなかったのですが、因島では村上水軍にちなんだ名所や資料館がイチオシです。ただしミュージアムは大島にあるのですが。

ちょっと年季の入ったサイクリングロード案内板
道を外れHAKKOパークで一休み

因島でぜひ寄っておきたいのが「はっさく屋」、名物はずばり八朔大福。因島大橋は公園を通り過ぎた後、スロープに入る前に結構な坂道になるのですが、その手前で横道へ入ったところにあります。怪獣を通り過ぎたら左折とおぼえておけばOK。いざ入ってみるとずらっと有名人のサインが飾ってあります。

ひっそりした場所にあるのですがサイクリストがいっぱい

本道に戻るのは普通であれば引き換えして坂を登りますが、担いで奥に見える階段登って強引に合流しちゃうことも可能。階段すげー長いですけど。

そして因島大橋を渡りますが、しまなみ海道で最初に出来た橋だけあって年季が入ってます。そしてこの橋だけは上ではなく下を渡ります。横は金網なので景観などは期待できず。

年季の入った因島大橋の眺め

向島

橋を渡れば最後の島、向島です。自転車道だけでいうと4kmくらいですがしまなみ海道としては残り8kmくらい。スロープを降りるとしばらく景色のよい海岸線を進みます。しまなみ海道の海もこのあたりがラストスパート、因島大橋を潜るあたりはなかなか絵になる光景。

向島の案内板
しまなみ海道から海を臨むのも残りわずか
因島大橋を振り返り

走ったときは確認し損ねたのですが、特に目印はないもののおそらく自転車道の起点はこちら。因島大橋へ進む途中、自転車道表示のヘキサも確認出来ます。

一旦大規模自転車道は終了ですがしまなみ海道自体はもうちょびっとだけ続きます。とはいえここからは海も無く住宅街に突っ込みますので、あまり物見するものは見当たらず。

しまなみ海道のゴールへ

向島から尾道へは「新尾道大橋」と並行して「尾道大橋」が架かっていますが、前者は歩行者自転車道がなく、後者は歩道があるもののめちゃめちゃ狭いため自転車の通行は現実無理、車道を走るには交通量が多すぎます。

ということで、公式に渡舟の利用が推奨されています。船着き場手前のところが油断すると結構迷います。大まかな方向さえ間違ってなければ着くこと自体は問題ないですが……。大体12分間隔、料金は自転車の場合110円です。電子マネー利用不可なので小銭必須。

デカデカとしまなみサイクリングロード表示のある向島運行の渡舟

およそ5分の船旅が終わればそこはJR尾道駅前徒歩5分のロケーション。直ぐ側にしまなみ海道の終点表示(裏側は起点表示)があり、しまなみ海道サイクリングロードは終了します。

尾道終点の表示板、裏側は起点表示

自転車を収納し、JRで帰還です。ちなみに、尾道は歴史ある古寺が多数ある観光地でもありますが、別名が「坂の町」。ついでで観光するには相性最悪です。

しまなみ海道サイクリングロード(尾道側)のまとめ

全体的に海岸沿いを走っている時間が長く、海の近い気分の良い区間が多々あります。特に生口島の瀬戸田あたりは海が近くガードも低いため、しまなみ海道指折りの快走区間でしょう。ドルチェとはっさく屋はしまなみ海道の中でも必ず寄るべきポイント。また、自転車で渡舟というのも、人によっては滅多に無い機会なので物珍しさがあります。

個人的には海岸線の美観と爽快感がイチオシですが、道の駅のような拠点がバンバンあったりする愛媛側に比べると、案内板等もやや控えめで「どちらかというと愛媛側の方が金掛かってる」感はあり。この辺りは管理する自治体の差が出るのかなーという気はします。

もはや単独で語られる道ではなく愛媛側とニコイチで「しまなみ海道サイクリングロード」、しまなみ海道エリアとも呼ぶべき自転車道ですので、「自転車乗るなら一度は走るべき道」の評価は鉄板です。

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