土器川自転車道は、香川県高松市香川町から丸亀市土器町までを結ぶ、38.5km(計画)の大規模自転車道です。丸亀城、こんぴらさん、銭形砂絵と香川の名所を巡れます。2022年11月4日走破。
土器川自転車道の基本情報
正式名称は香川県道270号丸亀琴平観音寺自転車道線。
平成15年(2003年)時点で計画37.2kmが全線整備済みであり、香川県道路現況表によると令和3年(2021年)時点で総延長が36.2km、重用区間が14.5kmとなっています。
起点 | 香川県丸亀市土器町(土器川橋東詰) |
終点 | 香川県観音寺市観音寺町(新琴弾橋北詰) |
起点はJR予讃線丸亀駅から1km少々、本土からは新幹線で岡山、特急しおかぜなら40分で直行しますが、マリンライナーだと坂出乗り換えで大凡1時間。終点は同じくJR予讃線観音寺駅から1.5kmといったところ。何れも香川の主要都市です。
丸亀城近く、香川県丸亀市土器町の土器川橋東詰を起点として、土器川を遡り、こんぴらさんこと金刀比羅宮前を抜け、国道377号線沿いを走った後は財田川沿いを下り、銭形砂絵と道の駅ことひき近くの終点観音寺市観音寺町にある新琴弾橋北詰に至ります。
始点で土器川自転車道と接続しています。
土器川自転車道を走る
船に乗ってうどんを食いに行こうシリーズ3本目。丸亀で一泊して二日目、この日は土器川自転車道を走ります……の前に。始点から1.5kmほど、丸亀城に立ち寄り。「日本一高い石垣」と「現存十二天守」を擁する、香川県の誇る名城です。
早朝なのでそもそも開いてませんので、外部から軽く眺めるだけでいそいそと自転車道起点に。
土器川自転車道の起点は、綾川自転車道終点と同じく土器川橋東詰。当然のように標識は無し、自転車道らしき舗装もないため、本当に自転車道なのかも怪しいまま土器川右岸を遡る形でスタートします。香川の大規模自転車道はこのあたりが大変行き届いてない模様。
最初は普通に車道を走りますが、すぐに河川敷へおります。
自転車道を走っていると、すぐに見えてくるのが讃岐富士こと飯野山。讃岐七富士の一つで、特徴的な形をしたおむすび山です。というか富士多くね?この辺りは舗装もそこそこしっかりしており、わりと走りやすい。視界を遮るものも少なく、飯野山を眺めながら走る形になります。
国道319号線と合流するところで左岸に渡るのがルートですが、今回は寄るところがあり無精して右岸を直進。本線の左岸側には歩行者自転車道表記のペイントや白線なども引かれているのですが、右岸側はそのまま河川敷の道路といった感じ。
で、なぜ左岸を直進したかといえばなかむらうどんへ寄るためです。県道195号線岡田丸亀線沿いに大きな看板が出ており、そこから入った駐車場を下った先に店舗があり、ほぼ開店時刻ちょうどで並んでるお客さんも少なめ。
昔は客が畑でセルフでネギ切ってたとか、今でこそ県道から入れますが昔はクッソ行きにくて迷う人が多かったとか、色々と逸話のあるお店です。かけ小(1玉)250円、特(3玉)でも450円のうどん県価格。
さすがのコシとなめらかのどごし。讃岐の手打ちうどんはコシが強すぎて「硬い」に近いお店もあったりするんですが、多分一般的にイメージされる讃岐うどんに一番近いんじゃなかろうか。
満足してなかむらうどんを出発、左岸の本線に復帰します。白線が引かれており舗装もされているものの、場所によってやや荒れがち。土器川自転車道全体を示す標識は見当たりませんでしたが、土器川を左岸に渡った地点までの距離標識的なものは打ってありました。
基本的にこれといったオブジェクトはなく、左右に河川敷の草原を見ながら進む形の野趣あふれる道になります。
道は白線が現れたり消えたり、舗装状況は全体的にそこそこ、というライン。こういった道は放置されると草の根っこに負けてアスファルトが割れてしまうので、定期的にメンテナンスはされているものかと。
ひたすらのんびり走り、黄色い琴電の線路を越えてその先に鳥居が見えると川沿いが一旦終了します。
ここから一旦河川敷を離れ、県道282号線沿いにこんぴらさんを目指します。そのまま直進するとこんぴらさん参りですが、途中の国道319号線合流点で左折。買田東交差店で今度は国道377号線に乗り換え、軽い峠越えに入ります。
しばらく気の滅入る登り坂。キツさはないですが、国道沿いの歩行者自転車道を進みます。この辺りは特段景色に見どころもなく淡々と進みます。距離で概ね10km、獲得標高で100m、斜度で2~3%といったあたり。
三豊市に入り峠を抜ければ終盤戦。国道377号線を降りて財田川沿いに観音寺を目指します。ただこの辺、ルートはこれといった標識もないので多分事前にわかってないとまず見落とします。西中農免道交差点を越えた先にある小さな橋の手前で右折し、更に県道5号線を左折し少し進んだところに財田川河川敷へ入る道の入り口があります。
この辺り工事などの状況が新しく、そのうち標識ができるかもしれませんが。
入ったところはいい感じに整備されているのですが、すぐに河川敷の古い道に切り替わります。十分走れますがそこまでメンテナンスはされてない感じで、5kmほど走行。
予讃線を過ぎて数百メートルで整備された車道に変わっていき、歩道が出現します。さらに数百メートル、稲積橋横の歩行者自転車専用橋を渡り右岸へ。
車道沿いの歩道を2kmほど走ったら新琴弾橋北詰に到着。例によって標識などは全くないですが、多分ここが終点。
ここで土器川自転車道は終了。香川大規模自転車道3本完走ですが、以下はちょっと余興。
終点近くには道の駅ことひきと、有名な銭形砂絵があります。
更に海岸沿いを5kmほど北上すると、近年「日本のウユニ湖」などという大層な肩書が付けられてしまい、インスタ映えする写真が取れることで有名になった父母ヶ浜があります。すっごい観光客増えたらしい。超遠浅の海岸で干潮時は2kmほどが砂浜になるため、大きな水鏡が現れます。
訪れたのが4時頃でこんな感じだったので、夕日の時間はそれなりにいい撮れ高だったのではないかと。幼少期は夏になると泳ぎに来てたので、インスタで話題と聞いた時はイメージと一致せず半信半疑でしたが、写真で見ると映えるとこも実際に見るとこんな感じではあります。
そして香川のB級グルメたこ判の元祖、小前。ちなみに母のド地元ですが反応はやはり「何それ知らん怖」。流行ったのが地元離れてかららしい……。
さらにぐるっと回って、多度津駅から帰路につきます。でないと1時間に2本とかしか電車走ってないので。途中、年2回だけ稼働する津島ノ宮駅で有名な津島神社を通過。
マリンライナーで岡山まで戻り、行程終了です。
土器川自転車道のまとめ
土器川沿いの大半と財田川沿いの半分くらいが専用区間で、この辺りは古さは感じるものの走りやすさはそれほど問題なし。川沿いの自然の中を気分良く走れます。一方こんぴらさん近くの道は本当にただの道ですし、国道377沿いの重用区間は整備状況もイマイチな上に峠越えということもありこのあたりは減点ポイント。
そもそも全線通してほぼ標識皆無なため、知ってないと大規模自転車道であること自体を認識できません。これは土器川自転車道に限らず、綾川自転車道の一部を除く香川全般に言えることですが。
丸亀城、こんぴらさん、銭形砂絵、有名うどん店に骨付鳥と香川の有名どこをぐるっと巡れるのはなかなかポイントが高く、大規模自転車道の本来の趣旨としてはいい感じです。道は仕方ないにしても、せめて標識整備してくれればな……と期待してしまいますが、setouchi veroの方に期待なんですかね。