K3、長良川清流自転車道を往く

大規模自転車道
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長良川清流自転車道は、岐阜県岐阜市から美濃市までを結ぶ約23.1kmの大規模自転車道です。「日本三大清流」と名高い長良川沿いを走り、自然の風景を楽しみつつ美濃橋や岐阜城を横目に眺める、そんなコースになっています。2023年11月24日走破。

長良川清流自転車道の基本情報

正式名称は岐阜県道203号岐阜小倉公園自転車道線
通称長良川清流自転車道
平成4年(1992年)整備開始、現時点でも全線整備には至らず。
目視で整備済み延長は12kmほどのようです。

起点岐阜県岐阜市材木町(岐阜公園前長良橋南詰)
終点岐阜県美濃市曽代(新美濃橋東詰)
大規模自転車道とは?

起点最寄りは名古屋鉄道名鉄岐阜駅、またはJR岐阜駅まで大凡4km。JRの場合米原と名古屋の中間になります。終点最寄りは長良川鉄道梅山駅、距離は1kmほど。

岐阜県岐阜市材木町の岐阜公園前長良橋南詰を起点とし、長良橋を渡って長良川右岸を遡上、すぐに鵜飼い大橋を渡って左岸を遡上。8kmほど整備済み区間が続き、藍川大橋から千疋大橋までは支流の今川沿いを進行。しばらく国道156号線沿いを走行し、美濃市に入ったところで再び川沿いの整備区間へ。美濃橋や小倉公園側を通り、終点である岐阜県美濃市曽代の新美濃橋東詰へ至ります。

起点から3kmほど長良川沿いに下ると長良川自転車道へ接続します。また全線が長良川サイクリングモデルルートの一部として整備されています。

長良川清流自転車道に至るまで

日本三大清流と名高い長良川。その清流に沿う形で、岐阜県の2本の大規模自転車道が整備されています。当然ながら川は上流から下流へ流れており、K3で長距離登りなど絶対にしたくないので、今回は長良川清流自転車道の終点側からスタートすることに。

長良川沿いは広くサイクリングモデルルートが整備されており(清流長良川サイクリングマップ)、折角なので終点の更に先、郡山八幡からスタートして岐阜で一泊ののんびりルートで出ることにしました。

朝イチ新幹線で名古屋まで行き、特急「ひだ」で美濃太田まで。そこから長良川鉄道に乗り換えて郡上八幡を目指します。

長良川鉄道の「ゆら~り眺めて清流列車」

長良川鉄道では「ゆら~り眺めて清流列車」という絶景スポットに差し掛かるとアナウンスが流れ、速度を落とす列車が運行されています。たまたま時間帯が合ったのでそちらに乗車。

で、景色を楽しみながら乗車していると、アナウンスが流れるポイントの度に列車の後方からカメラ機材抱えて車両最前列までシュババっとやってくるお兄さん達がいる。どうも何かの番組だかの撮影クルーらしい。いかいもディレクター風情の兄ちゃんが丸めたタイムシートだか台本だからしきもの持ってるし。

で、郡上八幡駅に到着し下車、振り向いたところチャド・マレーンがスーツケース片手に電車を降りてくるところでした(その場では誰かわからず、後日写真で情報収集して発覚)。地方のローカル番組の撮影か何かだったんだろうか。

レンタサイクルもある郡上八幡駅前

この日は若干の雨が降っており、走り始める頃には上がるはず……というお天気。ロードを組み立てるライダー見ながら10分ほど待ってると雨が上がったので出発。30kmほど下流にある起点を目指します。

長良川行をスタート

少々濡れた路面を長良沿いに走りはじめ、ほどなくサイクリングルートの標識を発見。

長良川サイクリングモデルルートの案内標識

……そしてこの写真を撮って走り始めようとすると、後輪から「ぐにゃっ」という頼りない感触が。恐る恐る後輪見てみると、完全に空気抜けてパンクしとるー!!!!!!!

走り始めてわずか1km、いきなりのトラブルです。しかし私は慌てない。余裕を持って一泊二日の予定組んでますし、サイクリストの嗜み、パンク修理スキル程度は備えております。ということでバッグを漁ります。修理セットと予備チューブ忘れとるー!!!!!!!!!

ここまで来て開始10分で大阪までトンボ返りか!?と写真撮るの忘れるくらいには焦り始めます。Googleマップで確認してみると郡上八幡城下あたりまで戻れば自転車屋があるらしいとわかり、手押しで3kmほどの道のりを大急ぎ。

郡上八幡城近辺の古い町並み

ご近所常連と談笑していた自転車屋に駆け込みパンク修理を依頼。通りすがりの御婦人が「自転車屋みたいなことしてる!」と店主に声かけて通り過ぎるのを聞きながら、パッチ対応で修理完了。さすがに14インチチューブ等あるわけないので、傷跡が大きければアウトでした。

パンクの原因はBigAppleを貫通した1mm程度の小さな三角形の金属片で、路面が濡れてなければ刺さらなかったんじゃないかなあ、という感じ。兎にも角にも、2時間近く時間をロスしつつ、行程を再開します。国田サイクルさんお世話になりました。

長良川鉄道と長良川と山

下り一辺倒かと思いきゃ意外と登りもやらされますが、長良川沿いにのどかなコースを走る大変気分の良いコースです。鉄道や橋に、季節的に山々の紅葉の彩りも美しい。

長良川とともに

のんびり景色を楽しみながら、30km先の長良川清流自転車道へ向かいます。

長良川清流自転車道を走る

ということで、開幕からクライマックスというかクライシスで前フリが長くなりつつ、ようやく長良川清流自転車道の終点に到着です。

長良川清流自転車道終点

道の駅「美濃にわか茶屋」横にあるファミリーマート横手に下り階段があり、ここから長良川清流自転車道がスタート。googleストリートビューではガードレールに隠れて詳しいことがわからなかったのですが、行ってみて納得。

スロープを下ってスタートです。

交通量少ないんだろうなあって感じの道

水路沿いの道を進んで行きます。特に自転車道の風情は感じませんが、道の駅美濃にわか茶屋の裏手で標識を発見。

第一標識を発見
しばらく未整備区間

間違いなく長良川清流自転車道です。にしても「ここは未整備区間だぜ!」って教えてくれる標識は珍しいというか少なくとも見たことないです。コースは間違って無いようでなにより。安心して進み始めます。

真っ赤な欄干が特徴の現存する最古の近代つり橋、美濃橋

国指定重要文化財、美濃橋前を通り過ぎます。写真撮ってると通りすがりの少年が撮影まで待ってくれてましたが、すまない、バッチリ写ってるんだ……。

上有知川湊の川湊灯台

走ってるだけで史跡がちらほら目に止まります。ほどなく川を離れ左折指示。

ここで一旦左折、標識もそう言っている

先程の未整備区間を表す標識では直進することになってましたが、そもそも通れる道がありません。なにげに凄い急坂でしたが、一旦サイクリングコース指定通りのルートへ。

まっすぐ進むと「うだつの上がる町並み」

ガイドはしっかりしてるので迷うようなことはなく。「うだつのあがる町並み」横を抜け、美濃市の中心部を通って進みます。再度長良川方面に入り、下渡橋をすぎたところで未整備区間を抜け、整備区間が登場。

唐突に現れる整備区間
路面は大地に負けつつあり

結構力入れて整備してたんじゃないかなあ、という感触はあるのですが。他の自転車道でも見かけますが「ここまで整備しててなんで途中で辞めちゃうんスか」みたいな。大体は土地で揉めたか予算が付かなくなって放置されたんでしょうけれども。

500mほどですぐに終了
再度、こっから未整備区間だよと

なんで道すぐ終わってしまうん……?

標識は自転車道ではなくサイクリングルートの方

と言いつつ、結構しっかり整備された道が続いたりします。標識は「長良川清流自転車道」と「長良川サイクリングモデルルート」の両方があり、未整備区間はモデルルートになってる気がします。

そして冒頭のトラブルが祟ってすでに日が暮れそうで少々気が焦ります。県道94号線の山崎大橋を超えたところで再度整備区間が復活。とはいえ、路面状況はぶっちゃけそこまで変わりません。

長良川清流自転車道「ここから」の表示
未整備区間を抜けてきたのでここから整備区間、終点から4km

20kmは全速力だと1時間かかりませんが、写真撮ったりしながらだとそうもいかず。

目が粗めの舗装路
今度は2kmほどで終了

うーん、整備区間短い!一旦川沿いを離れ、しばらく国道156号線沿い進行になります。

右折して国道156号線へ

156号線沿いは普通の歩道です。車道走るにはちょっと交通量多くて怖い。4kmほど進んだら再度案内に従って川沿い方面へ。

案内に従い156号線を外れ長良川方面へ
道なりに進むとほどなく「ここから」整備区間が登場

ここからの整備区間がコース中一番長くなっており、大体7kmくらい。交通量の多い車道と並行するのが難ですが、長良川を眺めながらの走行になります。また、途中2本のトンネル(祇園山トンネル、清水山トンネル)を通過します。一部信号も。

祇園山トンネル入り口

千鳥橋を過ぎたところで整備区間が終了。

再び未整備区間へ

ここまで来るとラストスパートです。未整備区間と言いつつそこそこ走りやすい長良川沿いを進み、鵜飼い大橋まで。橋に上がるルートが微妙にわかりにくく迷いがち。尚、この鵜飼い大橋と長良川の間で鵜飼いが行われるのだそう。

鵜飼い大橋の先には金華山。標高329m、かつては稲葉山と呼ばれ、美濃のマムシ斎藤道三、織田信長の居城岐阜城がそびえます。

夕闇に浮かぶ鵜飼い大橋と金華山のシルエット

鵜飼い大橋を渡って対岸へ。長良川清流自転車道的には鵜飼いならぬ迂回コースらしいのですが、左岸側は通れる道が怪しく現在のサイクリングモデルルートでは正規コースになっています。

ガイドに従って右岸側を走行

普通の街中の歩道なので特に言及することもなく。この辺りは岐阜の中心部なので、交通量も建造物も多め。長良橋からは金華山と、その頂上にそびえる岐阜城が見えます。

長良橋を渡り再度左岸へ
橋から金華山を見ればライトアップで輝く岐阜城

長良橋を渡ったところに大きな案内板があり、ここが長良清流自転車道の起点となります。

起点のルート全体案内図
本来のルートは渡河せず左岸を走り続ける形で記載
翌日明るときに案内板再撮影

なんとか完全に日が落ちる前に走破完了。この日は郡上八幡から50km程を走り、走破完了。宿に入り、翌日の長良川自転車道に備えます。

長良川清流自転車道のまとめ

ルートのうち整備済みは6割ほどで残りは一般歩道等になっています。路面状態は良いとは言えませんが、走行に困るほどでもない、といった感じ。進行方向等のガイドは非常にしっかりしており、ちゃんと見ていれば迷うとかはありません。「ここから未整備区間だよ」表示はなかなか見ない。

見どころポイントは起点の金華山及び岐阜城、終点付近の美濃橋やうだつの上がる町並み、そして道中は長良川流域の雄大な風景など。20km少々とそれほど長いコースでもない上に普通に国道沿いを走ることも多いので、若干道中ダレ感はないではないです。若干ではありますが一応上流から下流方向へ下ってますので、美濃から岐阜へ向かう方がオススメ。

現在国道156号線沿いを通る区間はあくまで回避ルートであり、よく見ると川岸側に短く整備された区間があります(かがみ用水第一樋門近辺)。とはいえそもそも道がない所に通す必要があるなかなかの工事になるので、現状踏まえるとさすがに厳しいか。長良橋~鵜飼い大橋間は整備こそされていませんが、当初ルートでも道自体は通っています。

未完成で物足りない部分は多々ありますが、織田信長や斎藤道三に思いを馳せながら、歴史ある町並みや雄大な景色を感じて走れるコースとなっております。

参考にした先人の足跡
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