多摩湖自転車歩行者道は、東京都西東京市新町から東村山市多摩湖町までを結ぶ、およそ21.9kmの大規模自転車道です。住宅街を貫く10kmに及ぶストレートが特徴ですが、一部の人間にとっては『聖地』でもあります。2021年12月29日走破。
多摩湖自転車歩行者道の基本情報
正式名称は東京都道253号保谷狭山自然公園自転車道線。
通称多摩湖自転車歩行者道。
1992年(平成4年)に全区間21.9kmが整備完了済みです。住宅街のど真ん中を通る生活道路でもあり非常に歩行者が多いためか、実態に合わせ2018年(平成30年)4月に呼称が多摩湖自転車道から多摩湖自転車歩行者道に変更されました。
最大の特徴は、前半の水道道路であるがゆえの10kmに及ぶストレート。同区間と並走して狭山・境緑道が整備されています。後半は水源である多摩湖こと村山貯水池を時計回りに一周します。
起点 | 西東京市新町三丁目(日市街道関前五丁目交差点) |
終点 | 東村山市多摩湖町三丁目(都立狭山公園北端) |
起点最寄り駅はJR東日本中央線及び西武鉄道多摩川線の武蔵境駅、または西武新宿線の田無駅から1km程度。終点最寄りは西武鉄道西武山口線駅、または同線かつ山口線多摩湖駅から100mとか。多摩湖南部を除く全区間で西武鉄道の山口線や多摩湖線、拝島線等が並走または交差しており、幾つもの駅前を通過するため、アクセスには全く困りません。都心から電車で1時間くらいです。
起点は東京都西東京市新町の五日市街道関前五丁目交差点、水道道路の続きである井の頭通りの終点。そこから小金井公園横、花小金井駅前、小平駅前、萩山駅駐輪場前、八坂駅前、東村山中央公園横を抜け、都立狭山公園へ。そこから多摩湖湖畔をぐるっと周り、名前のよく変わるドーム横を通り、終点の東村山市多摩湖町の西武園ゆうえんち前まで至ります。
多摩湖外周の西端から、約4kmの野山北公園自転車道という廃線跡の自転車道へ接続しています。
多摩湖自転車歩行者道を走る
病禍が世界を覆い、転職のドタバタも重なってすっかり旅や輪行が遠のき、自転車道巡りも気づけば1年以上の間隔が開いてしまっていました。そんな折、五輪に病禍と「第100回」を前に足踏みをしていたコミックマーケット99が開催される運びとなった年の暮れ。自転車抱え、新幹線に乗っていざ東京へと遠征するのでした。
東京へ来たならば、走っておかねばならない自転車道が一本、それがこの多摩湖自転車歩行者道。コミケ前日に前乗りし、武蔵境駅へと降り立ちます。
それではいざ。
というわけで、2019年~2021年にかけて別冊少年マガジンで連載された、折りたたみ自転車マンガの「おりたたぶ」第1巻で最初に舞台となったのがこの多摩湖自転車歩行者道なのでした。ザ・聖地。1kmほど自走して自転車道起点に向かいます。
マンガにも登場した起点。「綺麗か?綺麗か??」
初っ端山なりで先が見えてませんが、それをひょいと越えると始まる10kmのストレート。めっちゃ歩行者がいるので、間違っても高速で飛ばすコースではないです。ゆるポタが実に似合う。
走り始めてすぐ、小金井公園の横で「馬の背」と呼ばれる特徴的な地形が出現。窪地だったところに、送水管を直線で通すため盛り土した結果できた地形だそうで、窪地の方が自転車道。
まっすぐのんびり自転車道を進んでいきます。街中の緑化レクリエーションゾーンなので、いい感じの緑と公園が続々。ちょいちょい目を楽しませる施設やオブジェが出てきます。
武蔵野線を越えたあたりからちょっと雰囲気が変わります。それまでは如何にもな街中でしたが、ちょっと郊外風味に。相変わらず道はまっすぐ、路面状況もGood。人通りもやや減少するので更に走りやすくなります。
ここでちょっと寄り道してお昼に。というか、思ったより横に逸れなきゃいけなくてうっかり3kmほど通り過ぎてしまって引き返しました。この辺りで食の名物といえば武蔵野うどん。マンガでも見たやつだ!
満足してポタ再開。ここまで来ると多摩湖は目の前ですが、狭山公園周辺はやや上り。公園には入らず公園外周を進んでいきます。
自転車道はそのまま多摩湖外周を進みますが、ちょっと寄り道して狭山公園の中へ。目当ては多摩湖堤上の撮影ポイント。この画を撮るためにやってきた。
当日は素晴らしい晴天、水面を臨む開けた景色で、普通にぼーっとしてるだけでも癒やしですが「マンガで見た景色だ!」という聖地巡礼の達成感が彩りを添えます。
が、自転車道はまだ途中だ。一息入れていそいそと公園外周へ戻ります。
ここからは多摩湖外周を時計回りに。ほぼ平地だった前半戦と違ってやや緩急のある道になります。景色も前半の街中と打って変わって、木々に囲まれた自然コースに。
ほぼ山の中で自然を楽しみながら気分良く走るコースになってます。その分施設などの見どころはわりと少なめ。野球やライブが行われるメットライフだかベルーナだかのドームくらいでしょうか。しかし路面状況は全体通して良好。
ドームをすぎると最終盤。ちょいちょいチラ見えする西武園ゆうえんちの富士見展望塔を目指してペダルを踏み込みます。狭山公園の北端まで戻ってきたならそこが終点。
終点にそれらしき標識等はなく、案内図などでこの辺だろうとあたりを付けたところがゴール。自転車道としての達成感はないですが、まあヨシとしましょう。再び多摩湖堤でぼーっとした後少し足を伸ばし、バカ殿様をお参りして翌日のコミケに向け東村山駅から帰還です。
多摩湖自転車歩行者道のまとめ
どストレートの道沿いに公園、オブジェ、列車駅といかにも街中ポタリングの極みといった前半。緑の木々と自然に囲まれたアップダウンのいかにもトレーニングといった後半。そして素晴らしい眺望の多摩湖周辺と、都会のレクリエーションゾーンとして多くの要素を備えたステキ自転車道です。
折りたたみ自転車に乗っているならば、ぜひ一度「おりたたぶ」を読破してから足を運んで見ることをオススメいたします。