K3、佐賀環状自転車道を往く

大規模自転車道

佐賀環状自転車道は、佐賀県佐賀市嘉瀬町荻野を起点として佐賀市内中南部を環状周回する約45kmの大規模自転車道です。未整備区間もありますが、廃線跡も活用した佐賀唯一の大規模自転車道です。2023年3月20日走破。

佐賀環状自転車道の基本情報

正式名称は佐賀県道401号佐賀環状自転車道線
通称佐賀環状自転車道
当初全体計画は43.5km、佐賀県自転車推進活用計画の資料によれば45km。
南西部の相応津交差点近辺、北部の佐賀外環状の一部が未整備区間になっていますが、その他も暫定区間が多数あります。昭和50年(1975年)計画、昭和63年(1988年)年頃から本格整備開始、といった経緯の模様。
基本的に佐賀県が管理する道路ですが、城原川堤防上のみ一部佐賀市、神埼市管理になっています。

起点・終点佐賀県佐賀市嘉瀬町荻野(嘉瀬橋東詰嘉瀬川緑地トイレ)
大規模自転車道とは?

環状道路なのでどこからでもアクセス可能ですが、起点終点はJR佐賀駅から西へ6kmほど、路線自体へは佐賀駅から南側へ3kmほどでアクセス出来ます。東京からであれば佐賀空港から11km。

南側は徐福サイクルロードを通り環状南通りから西与賀佐賀線、西側は嘉瀬川堤防上を走行しバルーンフェスタ会場横を通過、北部は佐賀外環状線を走行、東側は城原側堤防上を走行し筑後川昇開橋横を通ります。

佐賀環状自転車道を走る

遠賀川沿いの自転車道3本を走った翌日、朝イチで千葉と滋賀のお隣、ゾンビランド佐賀県へ向かいます。博多駅から「リレーかもめ」に乗り40分ほどで佐賀駅へ。特急列車らしくラゲッジスペースも完備なので超混み合いでもしない限りは輪行も問題なしです。

乗ったのは787系の元「つばめ」車両
着いたらロマンシング佐賀だった

完全に余談ですが、数年前に戸籍を調べてみた結果、祖父以前のご先祖が実は佐賀の出身だったことが判明。親族は福岡出身だと思っていた模様。現在遡れる戸籍は明治初期までですが、その時代の本籍は基本移転が禁じられていた江戸時代の住所なので、その前のご先祖さまも基本的にはそこら辺住まいということになります。そして目的の地がこの自転車道の近辺にあり、是非一度は行きたいと思いつつ数年が経過していたのでした。

閑話休題。佐賀駅で自転車セットアップ、佐賀唯一の大規模自転車道へ向かいます。

佐賀駅前、民俗芸能「面浮立」の銅像がすっごい目立つ

起点には向かわず南進して佐賀城跡を通過、国道208号線沿いからスタートします。県中心部を走る国道沿いなので歩道自転車道としてはしっかり整備されてますが、特に自転車道表記等も見当たらず。2km程先で交差する県道54号線に沿って南西に向かいます。標識などは無いので、知らないと曲がれません。

この辺がご先祖様の居住地だったらしく、しばし散策。近所のお寺にお墓がないか聞いてみたりもしましたが特に成果無く。まあ死亡届出された自治体を見ると随分前に一族まとめて福岡方面に移ったようなのでさもありなん。ご先祖の暮らしに思いを馳せつつ行程を再開。

県道54号のキロポスト表示

国道、県道のキロポスト表示はあるものの、自転車道表示は全く見かけず。この辺は重複扱いですかね、おそらく。一応整備されていることになっているエリアですがそんな感じも受けません。相応津交差点でT字路にぶつかるので右折西進、嘉瀬川へ向かいます。

「有明海沿岸ルート」の案内標識を発見

途中見かけた案内は国交省サイクルツーリズム推進モデルルートに登録されている「有明海沿岸ルート」の模様。相応津交差点から嘉瀬川までのごくごく一部のエリアのみ重複しています。1kmほどで嘉瀬川堤防へ。このあたりから堤防沿いまたは堤防上の自転車道に入ります。

登ると橋を渡ってしまうので左へ、その後橋の袂を右へ
堤防へは上がらず右側へ
ガードにはトンボのイラスト
最終的には堤防上へ上がって管理道路へ合流

堤防上に上がると一気に景色が開けます。嘉瀬川の流れと佐賀の田園風景、彼方に脊振山系を臨むコースで眺望はなかなか。道はちょっと荒れてますが。3km程走ると佐賀県立森林公園前に差し掛かり右手側が少し賑やかになります。

佐賀県立森林公園前、多分こちらは管理道路で右側が自転車道

今回橋の下を通過してしまったためチェックしそこねたのですが、森林公園を越えたすぐ先、嘉瀬橋東詰にある嘉瀬川緑地トイレ(ストリートビュー)が本自転車道の起点終点の模様。昔は奇抜なバルーン型の変わった形のトイレだったようですが、現在は白いシンプルな建物に建て替えられています。

嘉瀬橋を過ぎたところからアジア最大級の熱気球大会佐賀インターナショナルバルーンフェスタの会場になり、ガードもバルーンイラストになったりします。また、自転車道表記も目立ち始め、自転車道っぽさが増し気味に。

高架下を抜ける自転車道案内、奥はJR線で臨時駅のバルーンさが駅
途中から真新しいアスファルトの広い道が登場
そして県道401号の自転車道を表すヘキサが!
更に進むと今度は工事で立ち入り制限

バルーンフェスタ会場以北は直近大規模に整備されているようで、真新しく道幅も広いアスファルトの路面が広がっていました。嘉瀬大橋から池森橋までは整備のため通行禁止でしたが、見た限りかなり整備が進んでいるようなので、近々このあたりはめっちゃ走りやすいいい道になりそう。

工事エリア以北は再び古めの道に

バルーンフェスタ駅から6kmほどでさが水ものがたり館へ到着。ここから県道48号に乗るまでがちょっとわかりにくいところがあります。

左奥が「さが水ものがたり館」、進んだ先がちょっとややこしい

おそらく正ルートは右側の歩道から道なりに進むのですが、そのまま直進してしまうと国道263号線に出て佐賀外環状線こと県道48号線に乗るのに難儀してしまうので、263号線直前に見える東屋の登り坂の方へ左折する必要があります。一方「さが水ものがたり館」の眼の前の道を進むと、駐車場入口のため自動車の通行があるのですが、道なりに進むだけで県道48号線へ出られます。
今回は右に進んだ後、そのまま国道263号線に出てしまいしばし迷いました。

県道48号線に出ると県道沿いに9km東進します。

しばらく車道沿いの歩道を進む

道自体は標識もなく特筆すべき事項もないのですが、途中目を引くのが1/15スケールの佐賀エッフェル塔。板金塗装職人さんが「暇だから」と建造したらしくWikipediaもある

有限会社馬塲ボデー敷地内にあるミニエッフェル塔
JRとの立体交差

城原川まで到着すると自転車道の看板標識があり、城原川沿いの堤防コースに入ります。この城原川沿いはほぼ全線が国交省モデルコースの「吉野ケ里~昇開橋ルート」と重複。全線通してだいぶ路面が古いですが、感覚的にはよくある河川敷の自転車道で道幅は細め。

自転車道看板と国交省コースの標識
菜の花畑が見所だそう
蓮池町付近で通行止めのためやむなく回避

10km程走行して河川敷の専用道が終了し、車道沿いを走りながら東洋一の昇開橋、筑後川昇開橋が見えてくるのですがこのあたりが一番危険。一部側道も殆どなくなってしまい、整備されているとはとても評価し難い。苦労して昇開橋の袂に着くと「道の駅ドロンパ」もあります。

筑後川昇開橋を見つつ、側道などの幅がなく大変走りにくい
道の駅ドロンパ、変わった名前ですが公募で決まったとか

ここが自転車道南東の端、道はまっすぐ佐賀城跡を目指すように除福サイクルロード方面へ入っていきます。

左が国道444号線、右が除福サイクルロード方面
道の脇には随所に全国小学生の美術作品が展示
除福サイクルロード入り口

除福サイクルロードは旧国鉄佐賀線の廃線跡を活用した約5kmのサイクリングロードで、廃線跡らしいゆるやかな勾配と長い直線、そして左右に植えられた桜の木が見所。旧駅舎を活用した休憩所等、非常によく整備されたサイクリングロードになっています。名称の由来はアルターエゴになってる除福ですが、佐賀は渡来伝説が特に多いとかなんとか。

走行が3月20日で、一週間後だったら景色が全く違っていたのは惜しいところ。

両脇に植えられた1200本の桜並木と舗装が綺麗な路面
かつての佐賀線と歴史を説明する案内板
当日の桜はまだ硬い蕾
廃線跡らしい市街地らしからぬロングストレート
かつての光法駅跡を利用した休憩所
除福サイクルロード途中に設置された佐賀環状自転車道の近隣・全体案内図

ここに来てやっと自転車道の全図を初発見です。ちゃんと整理されててよかったと思う反面、4隅くらいには置いていいんじゃないかという気がします。

旧南佐賀駅はお手洗いに

除福サイクルロードが終了し、県道333号線に出ると再び車道沿いの歩道自転車道を西進します。が、ここからは標識もなく特筆すべき事項もなし。佐賀駅南のスタート地点まで戻ったところで完走です。

車道沿いはなんの変哲もなく

再度佐賀駅まで帰路に着くわけですが、過程で見所を少々。

佐賀城跡、広大な敷地と石垣が広がる
佐賀駅から佐賀城跡まで続く道路わきやベンチには偉人の銅像がズラリ

イエロースパイスにて佐賀牛カレーを食した後、佐賀駅から再度特急で博多への帰路につき終了です。

佐賀自転車道のまとめ

全体規模自転車道の中でも2路線しかない環状道路。案内板自体が非常に少なくそもそも認識が難しいレベル。総じて南北の車道沿いが自転車道としては非常に走りにくく、東西の河川沿いはなかなか、除福サイクリングロードは別格、というところ。路線自体も45kmと長い方ですが整備状況の差が激しいので、なんとも一括りにし難い。

見所は時期が合えばバルーンフェスタ、思わず足を止めずにいられない佐賀エッフェル塔に重要文化財筑後川昇開橋、除福サイクルロードの桜並木に城原川沿いの菜の花畑とポイントは多数。工事が完了すれば嘉瀬川沿いは非常に走りやすいサイクリングロードになるでしょうし。

良いところは良いのですが、ダメなところは本当ダメ、という自転車道になっています。除福サイクリングロードは走る価値アリ。全体としてサイクリストの評判が悪いのは自治体も気にしているようですし、是非今後の整備を期待したいところです。

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