大規模自転車道とは

大規模自転車道
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「K3の利点は?」「機動力!」「なら全国飛ばなきゃね」
という安易なノリで、何かネタはないかと調べ始めて興味を持った大規模自転車道。日本全国135の大規模自転車道制覇が(出来るかどうかは別にして)今のところの目標。

制覇状況は2024年11月時点で53/135。

大規模自転車道を往く

物理的に不可能なところはさておくとして、全て回れる日は来るのか。少なくとも走破した時には今の相棒K3ではない可能性が高いだろうなあ。

都道府県路線名暫定距離走破日
岩手県13.北上花巻温泉自転車道26.2km2023/04/23
岩手県14.盛岡矢巾自転車道29.9km2023/04/23
岩手県15.遠野東和自転車道25.9km2023/04/24
埼玉県38.荒川自転車道45.6km2023/12/29
埼玉県39.江戸川自転車道37.7km2023/08/11
埼玉県42.芝川自転車道11.8km2023/12/29
千葉県43.江戸川左岸自転車道40.6km2022/12/29
東京都49.多摩湖自転車道21.9km2021/12/29
東京都50.江戸川自転車道22km2023/08/11
東京都51.芝川自転車道0.6km2024/12/29
新潟県58.蒲原自転車道45km2023/05/01
富山県59.富山庄川小矢部自転車道58.8km2024/10/25
富山県60.しんきろう自転車道62.5km2024/10/26
岐阜県66.長良川自転車道36.4km2023/11/25
岐阜県67.長良川清流自転車道23.1km2023/11/24
愛知県73.豊田安城サイクリングロード36.3km2024/10/13
愛知県74.知多半島サイクリングロード31.1km2024/10/13
三重県75.松阪伊勢サイクリングロード28km2023/09/20
三重県76.磯部大王自転車道18.5km2023/09/20
福井県78.若狭自転車道40.3km2024/09/13
滋賀県79.びわ湖よし笛ロード26.6km2023/03/12
滋賀県80.びわ湖レイクサイド自転車道20.5km2023/11/04
京都府81.桂川・木津川サイクリングロード45km2019/01/02
京都府82.加悦岩滝自転車道線12.17km2024/09/14
京都府83.栗田半島天橋立シーサイド自転車道22.4km2024/09/14
大阪府84.北河内サイクルライン45.5km2020/03/23
大阪府85.なにわ自転車道21.6km2018/10/21
大阪府86.北大阪周遊サイクルライン20.1km2018/10/21
大阪府87.南河内サイクルライン21.5km2019/04/07
兵庫県88.姫路明石自転車道35km2018/11/03
兵庫県89.加古川右岸自転車道22.5km2018/11/11
兵庫県90.播磨中央自転車道13.8km2018/11/11
兵庫県91.神出山田自転車道19.3km2019/02/03
奈良県92.奈良自転車道22km2022/12/24
奈良県93.大和中央自転車道21km2023/01/03
奈良県94.飛鳥葛城自転車道30km2022/12/24
和歌山県95.白浜日置川自転車道線20.6km2023/09/19
和歌山県96.太地新宮自転車道線25.3km2023/09/19
岡山県103.吉備路自転車道22.3km2024/07/07
岡山県104.吉備高原自転車道30.1km2024/07/07
岡山県106.片鉄ロマン街道34.2km2020/04/03
広島県107.瀬戸内海横断自転車道37km2022/05/07
徳島県111.鳴門徳島自転車道38km2023/09/18
徳島県112.阿南徳島自転車道41.2km2023/09/18
香川県113.香東自転車道21km2022/11/04
香川県114.綾川自転車道38.5km2022/11/04
香川県115.土器川自転車道37.2km2022/11/05
愛媛県116.瀬戸内海横断自転車道48.9km2022/05/06
福岡県120.遠賀川河川敷サイクリング道路12.8km2023/03/19
福岡県122.ひびき灘自転車道線32.5km2023/03/19
福岡県123.北九州遠賀川自転車道線34.5km2023/03/19
佐賀県125.佐賀環状自転車道43.4km2023/03/20
沖縄県135.沖縄のみち自転車道33.5km2020/02/23
走破済み一覧

走破本数:53/135
走破距離:1592.2km/3600km

大規模自転車道
折りたたみ自転車を担いで、日本各地の大規模自転車道を走ります。 目指せ全国制覇。

大規模自転車道、あらまし

そもそも、大規模自転車道とは。

なにわ自転車道標識

大規模自転車道は昭和の時代、1970年(昭和45年)に制定された自転車道の整備等に関する法律に基づき1973年(昭和48年)に旧建設省が開始した事業で、レクリエーション等を目的に整備が開始されたのだそうで。既に削除された国土交通省の紹介サイトには下記のように記載があります。

大規模自転車道は、自然公園、名勝、観光施設、レクリエーション施設などを結び、あわせて自転車利用の増大に対処するために、「交通事故の防止と交通の円滑化に寄与し、あわせて国民の心身の健全な発達に資する」ことを目的として昭和48年度から整備を行っています。
平成21年度末時点で全体計画約4,300kmのうち、約3,600kmが整備されております。

国会図書館アーカイブ – 大規模自転車道

国土交通省の第2次自転車活用推進計画によると、2019年(令和元年)時点で「計画4,330km中整備済みが約9割」と、ちょっと伸びてそうな表現。実際延伸・開通されてる箇所があります。

指定された道は北は利尻島から南は沖縄まで135路線Wikipediaの大規模自転車道の記載によれば自転車道は県道として整備されており、計画に対する整備率は最終的に84%。2010年には事業仕分けにおいて指摘を受け、同年に社会資本整備総合交付金に統合されています。

2017年後半には国土交通省の上記サイトも閉鎖されてしまったようですが、今も国会図書館アーカイブやWayback machineでその内容を確認することが出来ます。ちなみに確認できる一番古い記録は2001年のものですがこの時点で7割くらいは整備済み。

現状はといえば、県道自体はそうホイホイなくなったりしませんが、初期の135路線の指定について特別な位置づけは事実上破棄されたと考えてさそうです。なにせ半世紀前に始まった事業なので、しまなみ海道のように大きく発展を遂げた路線もあれば、あの山さ行がねがに取り上げられてしまうような路線まで悲喜こもごも。復旧はかなり進んでいますが、宮城に至っては震災で物理的に破壊されてしまいました。自転車事業自体は継続して推進されており、ナショナルサイクルルートの制定など新制度も始まっていますが、自治体によってお財布事情や温度感には必然差が出てしまいましょう。

まあそれはそれとして、人間なにか始めたら張り合いが欲しくなるもの。いい感じの目標なので、お遍路の如くこの135路線をちまちま埋めていってみようと思い立ったわけでした。

大規模自転車道、先人の足跡と調べ方

足跡というか夢の跡というか

調べ始めたら国交省のサイトが消えている通り、情報が散逸している状況なわけで。
検索すると路線の名前だけ書いてるけど中身スッカラカンみたいな情報サイト見かけていくつも検索ブロックしました。

国交省大規模自転車道ウェブサイト

前述の通り一時ソースになります。オリジナルは消滅していますが、国会図書館のWARP(Web Archiving Project)やInternet ArchiveのWayback Machineに記録されており確認が可能です。起点終点地域、計画距離や2004年時点の整備状況、概略マップPDF等もダウンロードできるので、こちらが基本的な資料になります。

ただし確認出来るのは概要まで。情報も古いため最新の現地情報とは異なっている可能性があります。

WARPの大規模自転車道サイトアーカイブ

地理院地図

国土地理院が管理する地理院地図が2013年よりWebサービスとして公開されており、無料で利用が可能です。大規模自転車道は県道であり、地図上で県道が黄色で色分けされているため、山の中の道路が明らかに場違いに県道指定されていたり、何もない交差点で県道が折れ曲がっていたりするので、大まかな経路がわかっていれば概ね確認可能です。GoogleMapみたいに道が書かれてないとかも基本ないですし。

ただ県道番号まで書かれているわけではないので近くを並走されると判断困難ですし、重用区間は識別が出来ません。当然ながら未共用で止まっている県道未指定区間も記載されません。吉備路自転車道の総社周辺のように、指定はそのままでも現地の標識は実情に沿って変更されているケースもあります。

国土地理院地図の例、赤で書き足した矢印が自転車道

GoogleMap/Earth

GoogleMapは仕様上交通量の乏しい道が掲載されない等があって、根本的な地図としての用途に問題が多いのですが、地理院地図を補足する形で活用できます。地理院地図では判断が困難な時に、GoogleMapのストリートビューで見ると案内掲示が写っていたり、車止めが設置されていて明らかに歩行者自転車道だと判断できる、というケースが少なくありません。

自転車道自体にストリートビューが通って無くても、主要道路と交差するポイントで主要道路側から状況を確認できたりもしますし、稀にロードバイクで撮影が走ってる路線もあります。ただ基本的に都会に強く地方に弱い傾向が強いです。

一応、実装前に走れるだけストリートビューで現地確認するようにはしています。

Wikipedia

Wikipediaの大規模自転車道一覧を見ると全路線基本情報は概ねカバーしてはいるものの、ルート情報等がわかるわけではありません。一部ページ自体が無い自転車道もあります。

国交省サイト情報を補足する形で通過自治体や道路、過去経緯情報、周辺施設等が案内されているページもあり、粒度はまちまちですが補助資料としては大変有用です。

自治体公式ウェブサイト

多数の各都道府県や地区町村の自治体公式サイトで自転車道・サイクリングロード情報を発信しています。埼玉県北海道のように網羅的に情報発信していたり、宮城県のように自転車活用推進計画の中でのみ詳細記載していたり、香川県のように言及自体が殆どない自治体もあるなど、温度感は自治体によってまちまち。

また、大規模自転車道は県道ですが、管理は県と市(主に政令指定市)に分かれていることもあります。例えば大阪府には4路線の大規模自転車道がありますが、2路線は大阪府2路線は大阪市に詳細情報が掲載されています。

詳細なマップや観光案内まで記載されていたり、工事による通行止め情報、熊の出没情報(これが怖くてしばらく北国へ行けてない)等、発信がある場合は非常に精度の高い有力情報となります。

サービスサイト:TABIRIN

自転車&旅情報メディアのTABIRINが結構な路線マップをカバーしており、ルート情報(KML)はこちらで国内の大多数が揃いました。が、そもそもベース情報が無いのか、北海道、近畿地方、山陰地方等はエリア単位でごそっと情報が抜けてます。

ルート自体も一部誤っているなど微妙なケースが多々有り、全面的に信頼するのはちょっと怪しいところ。それでもGPXファイルの配布自体が行われていない路線もまだまだ多いので、ベースとしては大変有り難い。

単純にニュースサイトとしても有用です。

個人サイト

特に大規模自転車道に限っているわけではないのですが西日本中心にあちこち走られていたキウイハズバンドがルート等非常に参考になりました。西日本の大規模自転車道を走破している先達で、真面目に上記のような情報をまとめ始めるまではここだけ見てたという方が実際のところ。ロードバイクで走られてるようなので、自分が同じルート走ると感覚的に2倍~3倍くらい時間掛かってるイメージです。写真撮るための足止める頻度の差もあるんでしょうけれども。

また、個人サイトを見てるとメジャーな自転車ルートサイトがわりと頻繁に潰れて移行したりという変遷も見て取れます。実際自分が自転車始めてからもRuntastic無くなったり色々してますし、Stravaも微妙にキナ臭い。Googleマップは規模的に無くなるとかそうそうないでしょうけど、先のことはわかりません。

大規模自転車道へのアプローチ

当然輪行になるのですが、そもそもの要件として「一定以上の利用を見込む」「観光名所等を繋ぐ」といった基本的なルールがあるので公共交通機関からのアクセスが可能……かと思いきゃそんなこともなく。自分の拠点は大阪神戸の近畿圏なので、まずは行き方を考える必要があります。

加えて、基本的なルールとして精神的にも時間的にも往復はしたくない。他に手がなければ仕方ないのですが……。

レンタカー、カーシェアリングになるので近場であれば選択肢。

但し「必ず車のある拠点に戻らなければならない」という制限がつきます。往復せずゴールしたらそのまま輪行で撤収……というプロセスを取りたいので、あんまり使いたくないのが本音。ただし、中間点に車を停めて起き、起点まで自走してゴール後車まで自走、またはゴール後輪行で車のある起点まで戻ってきて撤収、というのはあるかも。微妙に鉄道で行きにくい日本海側とか。

鉄道

新幹線で行ける範疇であればまず鉄道が選択肢になります。

しかし新幹線の範疇から離れてローカル線等が挟まると、一気に移動時間が2時間とか3時間増えるケースがザラ。遠距離への遠征を考えた場合には東北の日本海側、九州の太平洋側といった新幹線から遠い地域は選択肢に入れにくいのが現実。こういった地点には別の移動手段を用意したいところです。

また、大体の自転車道は起点か終点のどちらかで最寄り駅からのアクセスが可能ですが、最寄り駅から10kmを越える自転車道もあります。自走可能な距離ではあるのですが、一般道はあまり長く走りたくない。こういうところはラストワンマイルでレンタカー等が必要かも。

飛行機

鉄路が届かないところでは有力候補。

沖縄北海道はもちろん、東北方面の日本海側なんかは所要時間的に鉄路がかなり厳しい。空港近くに接続拠点を持つ大規模自転車道は珍しくなく、岩手や福島等の東北、新潟等の北陸、大分や宮崎等の九州といった本州中心部から離れたところに多い傾向があります。K3の輪行はJALやANAであれば通常荷物として預け入れが可能なので、このあたりの行きにくいところはまず選びたい。ただし基本高い。天気が悪かったら意味がない自転車旅は早割との相性が最悪です。

阪神間からの海路は基本四国九州に限られます。

航路自体もそれほど数があるとは言えませんが、大阪からしまなみ海道へのオレンジフェリー、神戸大阪から大分宮崎鹿児島へのさんふらわぁなどは有力な選択肢。特にさんふらわぁの弾丸ツアーなんかは鹿児島で使えないかなあと画策しています。利尻島は北海道からフェリーが鉄板という例外(一応飛行機でも飛べるけど)。

大規模自転車道、まとめ

下記のの参照情報見ておけば大体わかります。GARMINのページはたまたま見つけたのですが、地図は粗いもののなんと全路線高度情報まで含めて記載されており、計画を立てるに当たっては極めて有用です。

ぐぐるまっぷのこういうところきらい

ルートを作成するにあたって、TABIRINで引けなかったものは各自治体のサイクリング詳細マップに頼る、それも無ければ地理院地とGoogleマップの航空写真及びストリートビューをちまちま辿って補正するというめちゃめちゃ地味な手作業になりました。自転車道は原則中央で白線引いて分離されてますし、白線で自転車道と明示しているケースも多いので、始点と終点さえわかれば上空から追いかけてもそこそこなんとかなる。しかし自転車道なのでGoogleカーが通れず、ストリートビューにならない。地図表示だと道がないのに航空写真だと普通に通ってるとか日常茶飯事。

ということで諸々情報集めて、ある程度GoogleMapに纏める形まではなんとか持ってこれました。ナショナルサイクルルートとかも。実際走ったところは写真追加したりして記録してます。そのうちGoogleマップのオブジェクト制限に引っかかりそうなのが不安の種。

大規模自転車道
折りたたみ自転車を担いで、日本各地の大規模自転車道を走ります。 目指せ全国制覇。
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